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2021 年度 実施状況報告書

膜タンパク質機能を直接制御する機能性脂質の探索と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K11135
研究機関自治医科大学

研究代表者

早川 枝李  自治医科大学, 医学部, 助教 (00383753)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード膜タンパク質 / 脂質膜の物性 / 脂質分子間側方ストレス / マラリア原虫 / 脂肪酸 / 脂質 / コレステロール
研究実績の概要

コロナ禍で海外出張自粛などの影響で、海外の研究室に実験にいけず、もっとも重要な「各種脂肪酸の違いによるタンパク質1分子の機能調節の検討」に関する実験ができずに困っている。このような事情により本年度は本研究課題の”1分子レベルでの解析”から少し間口を広げ、脂質輸送等に関連する膜タンパク質について”細胞”を対象とした研究を行ってきた。対象とした細胞は、核を持たない成熟赤血球(=宿主からの影響を排除)に寄生するマラリア原虫とした。マラリア原虫はコレステロール、脂質等を生存のために必須因子とするものの、de novoのコレステロール合成経路を持たないため、外部環境、培養環境から取り込む必要があり、脂質輸送、コレステロール輸送などの輸送機序に不明な点が多いものの、インプットとアウトプットが明確である。このことから、脂質輸送に関わる膜タンパク質の機能解析に適した細胞と言える。さらに、人間が小腸内でコレステロールの取り込みに利用している膜タンパク質(NPC1L1)と相同性のある膜タンパク質を持っている可能性が報告されている。本来であればこの原虫由来膜タンパク質を精製し、タンパク質1分子に対する多価不飽和脂肪酸などの影響を1対1で解析する計画であったが、近年の世界状況を鑑み、細胞全体を対象としたタンパク質の機能解析、細胞内局在、原虫の感染ステージの違いによる膜タンパク質発現、阻害剤と脂質輸送異常との関係などについて細胞生物学的、構造学的に解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍で海外の研究室に実験にいけないため遅れている。メーカーに問いあわせた結果、日本に輸出した経緯がないことから、目的の装置が日本にないことだけは確実である。当大学内でなくとも、日本国内のどこかに装置があればデータを取得できる可能性が出てくるが、それができないので、一番肝の実験が完全に止まっている。日本側、海外側でのコロナ禍状況にも注意しなければならないことから、現在は本研究課題を細胞レベルでの実験まで広げて考え、細胞内での脂質輸送等に関連するタンパク質について研究を進めている。

今後の研究の推進方策

本研究課題は2年の延長を行った。コロナ禍が早く収まって、日本側、相手国側の状況が許せば、一カ月ほど実験に行き、はやくデータを取得し投稿論文までもっていきたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で実際に行うはずの実験ができていないため、現在、代案の研究を行っている。現状を鑑み、2年ほど研究期間延長を行ったため、残高をゼロ以上としている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Creative interior design by Plasmodium falciparum: Lipid metabolism and the parasite's secret chamber2021

    • 著者名/発表者名
      Fuyuki Tokumasu, Eri H Hayakawa, Junpei Fukumoto, Suzumi M Tokuoka, Shinya Miyazaki
    • 雑誌名

      Parasitology International

      巻: 83 ページ: 102369,102376

    • DOI

      10.1016/j.parint.2021.102369

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Anti-malarial activity in a Chinese herbal supplement containing Inonotus obliquus and Panax notoginseng2021

    • 著者名/発表者名
      Takuro Endo, Yuki Nakagomi , Eri Kawaguchi, Eri Saki H Hayakawa, Hoai Nam Vu, Hitoshi Takemae, Yuta Shinohara, Da Yang, Tatsuya Usui, Tetsuya Mizutani, Yoichi Nakao, Tetsuya Furuya
    • 雑誌名

      Parasitology International

      巻: Epub 2021 Dec 18 ページ: 102532

    • DOI

      10.1016/j.parint.2021.. Epub 2021 Dec 18.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 熱帯熱マラリア原虫-生殖母体期特有の袋状構造に対する電子顕微鏡観察2021

    • 著者名/発表者名
      早川枝李 , 徳舛富由樹 , 宮崎真也 , 大野伸彦 , 松本真美 , 臼倉治郎
    • 学会等名
      日本寄生虫学会
  • [学会発表] 熱帯熱マラリア原虫を用いた植物由来成分スクリーニングによる抗マラリア化合物同定の試み2021

    • 著者名/発表者名
      遠藤太伯郎 、川口絵梨 、早川枝李 、臼井達哉 、篠原祐太、楊達、中込雄貴 、 中尾洋一、古谷哲也
    • 学会等名
      日本寄生虫学会

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公開日: 2024-12-25  

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