研究課題/領域番号 |
18K11143
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
濱野 強 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (80410257)
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研究分担者 |
安部 孝文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30794953)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高血圧症 / ソーシャル・キャピタル |
研究実績の概要 |
高血圧症は、国際的な健康課題であり、1975年から2015年の間に5.9億人から11.3億人へと患者数の大幅な増加が示されている 。そうした中で、高齢化の進展が顕著な我が国の患者数については、推計として4,300万人であることが報告されている。高血圧症の予防活動は、従来型である個人の食生活や身体活動といった生活習慣の改善に加えて、近年では、健康の規定要因として学術的な関心の高まり、および実践活動の柱として注目されているソーシャル・キャピタルに着目した新たな取り組みの可能性が指摘されている。以上の背景に基づき、本研究では、高血圧症の新たな予防活動に資するエビデンス構築のため、地域住民を対象とした追跡調査を実施し、ソーシャル・キャピタルと高血圧症との関係性を定量的に明らかにすることを目的とした。平成30年度においては、島根県内の自治体との共同により地域での健康調査(予備調査)を実施した。具体的には、次年度に実施する本調査を行うための準備として、調査日程、調査対象者、調査項目の検討を行った。そして、健康調査(予備調査)は、自治体との検討に基づき、平成30年6月~10月の期間において実施した。以上の研究結果を踏まえて、平成31年度以降の研究においては、同様の地域で本調査を実施するとともに、研究成果の取りまとめを行い、地域でのソーシャル・キャピタルに基づく高血圧症予防のあり方について提案することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた平成30年度の研究計画に基づく進捗であったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度以降は、研究計画に基づき、以下の通り実施する。 1.本調査の実施・・・前年度の調査準備に基づき実施する。調査に際しては、ベースライン調査に参加した住民の追跡率を高めるために健康づくり講話を兼ねた調査説明会を実施し、かつ、郵送で案内を送付する。また、自治体保健師と協働で個別の勧誘を実施する。 2.解析の実施・・・ソーシャル・キャピタルが高血圧症の発症に及ぼす影響の検討を実施する。 3.研究成果の取りまとめ・・・上記の解析結果に基づき、横断研究との比較、他の変数の高血圧症に対する影響力を踏まえてソーシャル・キャピタルが高血圧症に及ぼす機序の考察などを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担金に次年度使用額が生じたが、投稿スケジュールの変更に伴い、当初予定していた論文校正費の支出が行われなかったためである。したがって、次年度以降の論文投稿時に使用する予定である。
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