さまざまな計算モデルに対して,所望の計算を実現するのに必要なリソースを見積もる手法の開発を目指す問題は,その重要さに反して,新たな進展を得ることが難しいテーマでもある.これに対し,研究代表者がこれまで追求してきた,計算機を用いた解析を積極的に取り入れるアプローチを,実験計算量理論と名付け,そのより広範な適用を目指し研究を行った.その結果,特に,段数の小さな論理回路モデルに対して,新たな回路の構成や,回路サイズの上下界に対する,数多くの重要な進展を得ることに成功した.これらの成果は,本研究が追及してきたアプローチにより初めて可能となったものが多く,その広い有効性が確認できた.
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