歌声および楽器音を対象として,学習対象データの取捨選択方法の検討や,音声波形自体のモデリング手法の検討,楽譜から波形への直接変換が可能なEnd-to-End構造の検討など,従来のデジタル信号処理の枠を超えた音響モデリングの研究を進め,その一部を学術論文としてまとめ,投稿・発表することができた.その中でも,深層学習に基づいて周期・非周期信号からより自然な音声波形を生成する構成は,画像変換の分野で高い性能を示しているCycleGANのサイクル構造を応用するもので,日本音響学会の粟屋潔学術奨励賞や情報処理学会のマイクロソフト情報学研究賞を受賞するなどの成果をあげている.
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