本研究課題については、コロナ禍による研究の若干の遅れと参加予定の国際会議の開催延期を考慮し、研究期間の1年間の延長を申請した。延長期間となった本年度は研究成果の公表に重点を置いた。成果として、論文の学術誌への掲載および国際会議での研究発表等がある。主要な成果を以下に列挙する。 (1) 前年度まで研究を実施していたハイパーパラメータ調整法を導入したスパース行列分解アルゴリズムについて、論文誌に掲載された成果を国際会議および国内学会で公表し、多数の研究者に周知した。 (2) 連想記憶模型(Hopfield模型)の自由エネルギー形式を利用した行列分解アルゴリズムの性質を調べる手法を新たに考案し、国内学会で公表した。研究期間内には間に合わなかったが、本成果は今後論文誌への投稿を計画している。 (3) 機能的磁気共鳴画像法(fMRI)のデータから特徴量を抽出する際にスパース性を含む行列分解アルゴリズムが有効であることを指摘した論文が学術誌に掲載された。さらに、スパース性を含む独立成分分析の新たなアルゴリズム (独立成分分析は行列分解アルゴリズムに含まれる) を構成し、学術誌に論文を投稿した。加えて本研究成果を国際会議および国内学会で公表した。 以上の他に、行列分解問題に関連した機械学習のクラスタリングに関する研究(神経細胞集団推定の新規手法開発)について学術誌に論文が掲載された。この研究については国際会議等で成果を公表した。加えて、前述とは別の機械学習に関する研究成果を諸学会で公表した。
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