| 研究課題/領域番号 |
18K11179
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
成島 康史 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70453842)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 均衡問題 / サプライチェインネットワーク / 変分不等式問題 / 数値解法アルゴリズム |
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| 研究実績の概要 |
昨年度に引き続き，サプライチェインに関する数理モデルの文献研究を行うとともにサプライチェインネットワーク（SCN）上の均衡問題に対して以下の研究を行った．
１. 不確実性を含むSCNにおける均衡問題の分析：需要に不確実性が含まれるSCN均衡モデルにおいて，サービスレベルや製品の品質がSCNのパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを分析するために上記の2項目を変数に取り込んだSCN均衡モデルの定式化を行った．また，その均衡解が存在するための条件などを分析した．さらに，定式化された問題は最終的には微分不可能な方程式系へと帰着されるため，それらの問題を安定的に解くためのアルゴリズムについても検討した．
また，不確実性の扱い方に関連する文献研究の中で，分布的ロバスト最適化に着目し，本研究の派生的な研究として，分布的ロバスト最適化を用いた分散投資問題や最短経路問題などの定式化の度についても議論を行った．
２.サービスを考慮したSCNにおける均衡問題の分析：昨年度に引き続き，サービスを含めて稼働時間を売る契約形態である Power by The Hour（PBH）に着目した．PBHの数理モデルはリーダーフォロワーゲームとしてとらえることが可能なため，稼働時間とサービスを変数とするようなゲームへの定式化を試みた．定式化された問題は均衡制約付き最適化問題（MPEC）や均衡制約付き均衡問題（EPEC）などといった求解が難しい問題となるため，それらを解くための奉納についても議論を行った．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響により，2020年度に引き続き，対面での研究打ち合わせや国際会議への参加ができなかったため，議論や情報収集が十分にはできなかった．また，そのような状況が2年連続であったため，計画が少しづつ後ろ倒しになってしまった．
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度までの研究の成果を踏まえて，以下のように研究を進める．
1. 不確実性を含むSCNにおける均衡問題の分析：サービスレベルや製品の品質がSCNのパフォーマンスを変数に取り込んだSCN均衡問題については，均衡解の存在性については議論ができているものの，均衡解の一意性や性質については分析ができていないため，それらについて分析を行う．また，数値実験によりSCN全体のパフォーマンスについての分析も実施する．
また，不確実性の扱い方に関して，分布的ロバスト最適化に基づいて定式化を行うことで，ロバストSCN均衡モデルの改良が期待されるため，それについても定式化を進めていく．
2．サービスを考慮したSCNにおける均衡問題の分析：1．の項目では戦略型の均衡問題を考えていたが，それを展開型の均衡問題へと拡張する．その際，展開型の均衡問題では問題が複雑化することが予想されるため，各意思決定主体の戦略や目的関数などについても検討を行う．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により，参加を予定していた国内外の学術会議が中止またはオンラインになったり，共同研究者との研究打ち合わせ等もオンラインのみとなったため，旅費の支出がなかったことが主な原因である．また，人件費についても同様の理由により支出がなかった．
研究計画では当該年度が最終年度であったが，未使用分については補助事業期間の延長により使用する．特に，対面での活動が徐々に可能となってきているため，国内外の学術会議などに積極的に参加し，研究を遂行する予定である．
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