研究課題
本研究課題は,3つの研究計画「(1)最良近似超距離木問題に対する局所探索アルゴリズムの開発」,「(2)閉路完全距離のグラフ表現と閉路完全距離による相違写像の近似」及び,「(3)k-連結完全距離による相違写像の近似理論の確立」によって構成されている.2022年度までに,(1),(2),(3)の計画に沿って研究を遂行し,その研究成果を国内外の学会に発表,及び,学術論文への投稿を行った.特に重要な成果として,(1)に関連する研究成果「最小増加超距離木問題に対するk制限部分木交換近傍に基づく局所探索アルゴリズム」であり,この問題に対してこれまでに存在しなかった新しい局所探索アルゴリズムの枠組みを与えた.この枠組みは類似する他の超距離木最適化問題へも応用が可能であるため,今後もこの研究のさらなる展開が期待される.また,2018年度に学術雑誌に掲載された(2)に関連する研究「閉路完全距離の指標付き集合族としての特徴付け」は,重複クラスタリングの公理的特徴付けを与えた.これに基づいて,重複クラスタリングに対する凝集的アルゴリズムの正当性の保証の導出が可能になる.これについても今後の展開が期待される.最終年度(2022年度)には,これまでに行った(1)に関連する研究「部分木距離を表現する木を求めるアルゴリズムの開発」の成果,及び,線形順序付け問題と呼ばれる組合せ最適化問題の最適解が満たすべき条件(強Condorcet条件)についての研究が学術雑誌に掲載された.
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E105-A ページ: 1203--1210
10.1587/transfun.2021DMP0014
Journal of the Operations Research Society of Japan
巻: 65 ページ: 67--75
10.15807/jorsj.65.67