研究課題/領域番号 |
18K11190
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
小森 理 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (60586379)
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研究分担者 |
江口 真透 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (10168776)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 臨床データ解析 / 準線形モデル |
研究実績の概要 |
Ashad et.al.(2019, Journal of Bioinformatics and Computational Biology)では,遺伝子間の相関を考慮した正準相関分析の手法を,カーネル空間で提案しその有効性を実証した.これは本研究のClinico-Radiologic-Pathologic(臨床,画像,病理) triangle解析(CRP解析)の臨床解析に相当する研究結果となっている.またKomori et.al.(2019, Ecological Informatics)では準線形モデルをもとにしたポアソン点過程の手法を提案し,実データ解析においてその有効性を実証した.ここで用いられている準線形モデルは本研究の「データ融合型深層学習法」の中心的な役割を担う統計解析手法となっている.またKomori(2019, Springer)ではこの準線形モデルを中心にデータの不均衡性の問題を扱った.また日本統計学会においては臨床データ解析で用いられるG-computationの理論と応用についての発表を行った.また福井大学病院に出張し,臨床データの整備も進めた. また画像データ解析においては,畳み込みニューラルネットによるROI(Region of Interest)の同定の解析も進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床データの解析も進み,論文執筆や学会発表でその成果の一部の公表している.但し研究代表者の所属が2年前に福井大学から成蹊大学に変わったため,福井大学病院の先生方との打ち合わせの頻度が減少し,当初予定していた進捗状況には達していない状況となっている.また臨床データの持ち出しに制約があるため,データ解析も当初の予定より遅れてしまっている.
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今後の研究の推進方策 |
以下のような計画で画像データ解析を進める.
1. 深層学習法特に畳み込みニューラルネットワークを中心に,統計解析ソフトRとPythonを用いて実際にプログラムを組み,文献から収集された肺疾患データの解析に着手する.2. Grad-CAMなどの手法を用いてAIが着目する部位の可視化を行う.3. 大量の外部データを学習したVGG16モデルなどを用いて,病変予測の精度の改善を試みる.4. 福井大病院内のデータを学習したモデルをさらに追加し,病変予測の精度の改善を試みる.5. より医学的に意味のある病名(肺がん、肺転移,リンパ血管系浸潤 ,良性腫瘍など)の判別解析に取り組み,病変予測と同様に重要な部位の可視化と判別精度の向上を試みる.6. 上記の結果に臨床データを加え,判別精度の改善を試みる.
上記の研究結果を論文と学会発表の形でまとめる.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入が当初計画より少なくなったため.次年度の物品購入に使用予定
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