研究課題/領域番号 |
18K11198
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
岩下 登志也 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 准教授 (20266919)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 一様性検定 / 特殊多様体 |
研究実績の概要 |
最終年度であるため、本課題の研究成果を論文、国内外の学会を通して広く発表する予定であったが、コロナウィルス蔓延のため、国内外の移動を制限されてしまった。このため、海外の研究者との対面での研究打ち合わせや国際会議を、すべてキャンセルにせざるを得ない状況となってしまった。このため、当初の目的である本研究を推進、発表するという目的を果たすことが出来ない状態となってしまったが、本年度中にしかるべき研究成果が得られるよう、あらゆる手段を講じて研究を推進している。 対面での研究打ち合わせの代替として電子メール等による海外研究者との研究打ち合わせを行い、さらに本課題の中心に位置する「単位球面上の一様性検定」に関連する最近の動向調査、文献の収集を行ったところ、本研究課題を着想した当初考えていた手法、すなわち2020年発表の論文の結果を応用した手法では本研究課題の主たる目的を果たせないことが判明した。主たる原因は、球面上の一様分布の分散共分散行列が次元の次元の変化(高次元化)とともに、退化してしまうという致命的な問題を見逃していたことである。この現象は、別の味方をすれば、確率ベクトルが定数ベクトルに「収束する」という非常に大きな障害となるを意味することとなる。 この問題は、高次元データを解析する際にも問題となることが想定される。そのため、いくつかの代替案を海外の研究協力者との議論しているところであり、2020年の手法を抜本的に見直し、新たな検定法の考案、数値実験を行っているところである。現時点では、新たに考案している手法で顕在化した問題を解決可能と示唆する一筋の光明が見え始めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要のところでも述べた通り、当初の計画の変更を余儀なくせれているが、代替案の候補をいくつか見つけることができ、かつ、既にそれらについて数値実験などを通して検証をしている。現在のところ、数値実験では良好な結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
それぞれの代替案について数値実験を継続して実施し、代替案の長所・短所を整理する。これらをまとめたのち、長所を引き立たせるような改良ができるか否かを理論展開とともに実験により確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定していた海外研究者との対面研究討論、国際会議のキャンセルにより、海外渡航費用が未使用となったため。2022年度では、2023年にエッセン(ドイツ)での学会発表を予定しており、この学会出張で利用する予定である。
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