研究課題
基盤研究(C)
独立変数に測定誤差を含む線形モデルの回帰係数の推定問題において,許容的推定量を導出し,最小二乗推定量の改良方法をいくつか提案した。多変量歪正規分布モデルにおける共分散行列の推定問題において,最良一般尺度不変推定量を改良する推定量を発見した。行列型正規分布モデルの平均行列や共分散行列に関する小標本の下での推定問題を再考し,楕円型分布モデルや成長曲線モデルの推定問題への応用について研究した。
数理統計学
本研究の成果は統計的決定理論の発展やベイズ統計学の理論的な広がりに寄与し,現代的な推測問題における統計学的手法の実用化を支える基礎理論の補完および改良にも役立つと想像される。また、本研究は回帰分析や分散分析などの古典的な多変量データ解析に応用され得るだけでなく、高次元小標本データに代表される現代的な多変量データの解析への応用の可能性も秘めている。