今後の研究の推進方策 |
帰無仮説の族 F1,・・・,Fqに優先順位がつけられているときにゲートキーピング法とよばれる閉検定手順による多重比較検定がMaurer et al. (1995), Domitrienko et al. (2003), Domitrienko et al. (2008) によって提案されている.いずれもBonferroniの方法やHolm (1979)の方法による理論が用いられている.ゲートキーピング法の中でもMaurer et al. (1995)によって提案された直列型の方法は比較的単純でデータ解析によく用いられる.他の型の方法は非常に複雑である.本研究では,観測値がq次元連続分布に従うk標本モデルを考える.k個の平均ベクトルのp成分の間のすべての相違を多重比較するための帰無仮説の族をHp (p=1,・・・,q)とする.帰無仮説の族H1,・・・,Hqに優先順位がつけられているときに直列型ゲートキーピング法を使って水準αの多重比較検定を行う手順を多次元正規分布の下でのパラメトリック法と分布が未知であっても使用することが可能なノンパラメトリック法について論述する.さらに,第1標本を対照群,第2標本以降を処理群とするDunnett型の多重比較検定も提案する.さらにこれら直列型ゲートキーピング法をとりいれた閉検定手順」についても論述する. 処理効果に順序制約のある乱塊法モデルにおけるWilliams型の対照群との多重比較法について線形型統計量,Bバー自乗統計量,累積カイ自乗統計量に基づく閉検定手順について理論構築を行い,様々な検出力によりを比較を行う.
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