研究実績の概要 |
ビッグデータ時代が到来し,高次元データの解析手法の開発は益々急務になっている.本研究では,高次元データの特徴を多変量正規分布に従うかどうかで捉えることとし,その判定法を構築する.そのための基礎理論をより強固にするためには検定統計量の正確表現を求めることが重要であるとの視点から,標本歪度および標本尖度分布の正確表現を与える(課題1, 2).さらに,最終課題を「標本歪度・尖度分布の正確表現に基づいた高次元データにおける正規性の検定」(課題3)と設定する.なお課題解決にあたり,研究業績3 (主成分に基づく多変量正規性の視覚的検定) ならびに研究業績5 (標本歪度・尖度の同時密度関数および同時モーメントの標本の大きさに関する漸化式表現) を積極的に活用する. 一昨年度から,超幾何関数を駆使して基礎理論を構築しようとしたが,思うように捗らず,そこで,フーリエ展開による近似表現にたどり着いた.これにより,標本歪度分布の確率密度関数のフーリエ展開表現を得ることができた.この成果は対外的な発表には至っていないが,モーメントによるフーリエ係数の解析的表現を与えることができた点で画期的である.昨年度は,SUT journal of mathematicsにおいて,タイトル Holonomic properties and recurrence formula for the distribution of sample correlation coefficient,Mura, H., Hashiguchi, H., Nakagawa, S. and Ono, Y.として論文発表した.
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