研究課題
ビッグデータ時代が到来し,高次元データの解析手法の開発は益々急務になっている.本研究では,高次元データの特徴を多変量正規分布に従うかどうかで捉えることとし,その判定法を構築する.そのための基礎理論をより強固にするためには検定統計量の正確表現を求めることが重要であるとの視点から,標本歪度および標本尖度分布の正確表現を与える(課題1, 2).さらに,最終課題を「標本歪度・尖度分布の正確表現に基づいた高次元データにおける正規性の検定」(課題3)と設定する.なお課題解決にあたり,研究業績3 (主成分に基づく多変量正規性の視覚的検定) ならびに研究業績5 (標本歪度・尖度の同時密度関数および同時モーメントの標本の大きさに関する漸化式表現) を積極的に活用する.フーリエ展開による近似表現にたどり着き,これにより,標本歪度分布の確率密度関数のフーリエ展開表現を得ることができた.モーメントによるフーリエ係数の解析的表現を与えることができた点で画期的であり,研究業績5に基づき,本手法はそのまま,標本尖度分布へも応用可能であると考えている.この成果は,Cornell 大学の学術論文投稿サイト arXiv へ "Approximation to probability density functions in sampling distributions based on Fourier cosine series" として投稿した.また,関連研究として,"Two-way MANOVA with unequal cell sizes and unequal cell covariance matrices in high-dimensional settings" を Journal of Multivariate statistics へ論文発表した.
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arxiv
巻: 2103.11712 ページ: 2103.11712
Journal of Multivariate Analysis
巻: 179 ページ: 104625~104625
10.1016/j.jmva.2020.104625