研究課題/領域番号 |
18K11222
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
橘 昌良 高知工科大学, システム工学群, 教授 (50171715)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Analog-Mixed Signal / Built-In Self Test / Impulse Response / パラメータ故障 / カタストロフィック故障 / デペンダブルコンピューティング |
研究実績の概要 |
本研究はAMS(Analog Mixed Signal)システムLSIの高信頼化を目的としたアナログ回路の故障検出をシステムの動作中にも行える機 構の開発を主要な目的としている。この機構はAMSシステムがデジタル/アナログ両方の回路を組み合わせて使える利点を利用して、検査 対象となるアナログ回路の動作を必要としない時間 を利用してテストを進めることで、システムの動作状態での動作以上の検出を行う ことができるシステムを提案し、LSI化を行いその有効性を実証することを目標としている。 令和元年度には、基準電源回路のカタストロフィック故障を検出するための回路に関してLSI化とNautaOTAを用いたΔΣ変調器のパラメータ故障の検出手法の検討を行った。 基準電源については素子バラツキにより動作確認には至らなかったため、素子バラツキの範囲を確認するための回路をLSI化し、測定を行っている。NautaOTAを用いたΔΣ変調器変調器に関しては、従来のOPアンプを積分器に用いているものと同様に抵抗、キャパシタについてパラメー タ故障を検出できることの検討を行い、同じ手法を適用できることを確認した。 以上の研究結果については、国内学会での発表が2件ある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画では基準電流/電圧発生回路については実チップでの実証を行う予定であったが、LSIのパラメータバラツキの影響で実チップでの確認はまだできていない。パラメータバラツキを考慮した回路の設計を現在行っており、令和2年度に確認を行う予定である。平成31年度に行ったカオス発振によるパラメータ故障の検出は実チップでの検証を行ったが、アナログ回路によるカオス発振回路の特性に実質的な再現性がない可能性があり、この点を令和2年度に再度検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度の研究成果を踏まえて、基準電流/電圧発生回路の故障検出に関しては実チップでの実証を行い有効性を確認する予定である。ΔΣ変調器のパラメータ故障の検出手に関しては、カオス発振回路の応用範囲の拡大と、実チップでの確認を行う予定である。また、発振回路の特性の再現性に関しても検討を行う予定であ る
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