研究課題/領域番号 |
18K11243
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
大平 雅雄 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70379600)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | モダンコードレビュー / High Impact Defects / ソフトウェア品質 / ソフトウェア保守 / 欠陥除去 |
研究実績の概要 |
本研究の最終的な目的は,ソフトウェアシステムの信頼性および安全性に大きな影響を与える欠陥 (High Impact Defects) の混入をモダンコードレビューの段階で防ぐ手段を提供することである.そのために本研究課題では,以下の研究目標を設定し研究を進める. (研究目標1)High Impact Defectsの混入を見逃した際のコードレビューとHigh Impact Defects発見後のコード修正に伴うコードレビューとの比較分析を通じて,High Impact Defectsの見逃し原因(混入原因)と除去方法を抽出する. (研究目標2)抽出したHigh Impact Defectsの混入原因を機械学習することで,High Impact Defectsの混入を予測する(すなわちコードレビューの対象がHigh Impact Defectsを含むコードであることを検知する)モデルを構築する. (研究目標3)検出したHigh Impact Defectsをコードベースに混入させないよう,(研究目標1)で抽出したHigh Impact Defectsの除去方法を知識ベース化し素早く参照・除去できるようにする.
本年度は(研究目標1)に取り組んだ.具体的には以下の手順で調査を実施した.(1-1) 申請者の過去の研究課題の成果に基づいて,OSSプロジェクトの不具合管理システムからHIDが報告されている不具合票のIDを抽出.(1-2) 不具合IDと紐付いているレビューIDを特定し,コード修正に伴うレビュー指摘およびコード差分を抽出.(1-3) 不具合IDと紐付いているコミットIDを特定し,SZZアルゴリズムに基づいて該当するHIDを混入したコミットIDを特定.(1-4) HIDを混入したコミットIDに基づいて,HIDの混入を見逃す原因となったレビューIDを特定し,レビュー指摘およびコード差分を抽出.(1-5) (1-2)および(1-4)のレビュー指摘及びコード差分を比較し,HIDの見逃し原因を特定.本手順を複数のOSSプロジェクトに対して実施しそれぞれのプロジェクトにおける対処方法(除去方法)を目視により調査した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究を実施できたため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の研究を実施する予定である. (研究目標2) High Impact Defects混入予測モデルの構築と評価 コードレビュー開始時にHigh Impact Defectsに関係するコードかどうかを判別するためには2つのモデルが必要となる.後者は判別精度が現時点では不明なため評価実験を行う.また,必要に応じてモデルの改良も行う. (2-1) コードレビューが不具合修正を対象として行われる場合:不具合票をベースにHigh Impact Defectsか否かを判別すれば良いので申請者の過去の研究課題で構築した判別モデルが利用できる. (2-2) コードレビューが機能追加等を対象として行われる場合:不具合票とコードレビューは紐付いていないので,当該コード変更がHigh Impact Defectsをもたらすかどうかを予測する判別モデル(コード差分情報をベースにした判別モデル)を(研究目標1)の成果から構築する必要がある.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 掲載された学術論文の掲載料が予定よりも安価に済ませることができたため.また,既存設備を活用することにより機材の購入を減らすことができたため. (使用計画) 研究進捗は概ね順調であり,本研究の成果を発表する場として最も適した国際会議ICSE (International Conference on Software Engineering) への参加に次年度使用額をあてる予定にしている.
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