研究課題
当初はゴール志向モデリング言語のみで複数システムの相乗効果モデリングを行なう予定であったが,いくつかの実業務のモデリングを行なうことで,モデリング言語の種類は限定せず,例えば,ユースケースモデル,アクティビティ図,データフロー図等の利用も可能とするモデルの合成法を考案した.これによって,それぞれのシステムを多面的に分析することが可能となった.重複部分についての分析においては,あるモデル要素を他のモデルに輸出(export)するという概念を導入し,受け入れ側では,輸入(import)という概念を導入することで,重複部分の併合を明示的にモデル化した.これらのモデル化にはステレオタイプを用いることで,前述のように複数種類のモデリング言語に対応できるようにした.相乗については,誘因(trigger)という概念と発見(discover)という概念を同様に導入し,あるモデルの要素が他モデルのどの部分に相乗効果を与えたかを明示化した.また,輸入や発見によって,どのような効率化が見込まれるかもステレオタイプによってモデリング可能とした.例えば,輸入によって,単体では開発予定であった新機能を開発せずに済む等が典型例である.現時点では,矛盾の取扱いはまだ行なっていない.複数行なった事例研究からは,明示的な矛盾の例がほとんどみられないためである.これは,複数のシステムが相互に機能等を出し合い連携はしているが,あくまで,個々のシステムが独立しているためであると思われる.これらの成果を国際会議論文としてまとめ,Springer社から出版された会議録に成果を残した.論文のタイトルは Requirements Exploration by Comparing and Combining Models of Different Information Systems. である.
2: おおむね順調に進展している
矛盾部分のモデリングを除き,ツール化するための必要十分な言語設計は完了した.当初予定では,2019年度中盤まで言語設計の予定であったため,概ね順調といえる.成果発表については,想定する会議は異なっているが,予定本数を発表することができている.しかし,論文誌への投稿が,いまだ準備中のため,論文執筆を急がなければならない.
当初は2019年度終わりから開始予定であったツール開発を,2019年度中旬から行ないたい.ツールを作成するためのプラットフォーム調査は既に済んでおり,いくつかの動作チェックを行なう必要がある.特に,異なる複数のモデル間の連携をとる必要があるため,複数のモデリングツール間の通信が必要となる.この部分については,構想は固まっているが,実際に動作可能であるか否かのテストを行なう必要がある.
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件)
IEEE Conference on Applications, Information and Network Security.
巻: 1 ページ: 87-92
10.1109/AINS.2018.8631465
Procedia Computer Science
巻: 126 ページ: 1243-1252
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Smart Innovation, Systems and Technologies
巻: 108 ページ: 64-74
10.1007/978-3-319-97679-2_7
巻: 108 ページ: 158-167
10.1007/978-3-319-97679-2_16
COMPSAC 2018 workshops
巻: 42 ページ: 234-239
10.1109/COMPSAC.2018.10235