研究課題/領域番号 |
18K11249
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
海谷 治彦 神奈川大学, 理学部, 教授 (30262596)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 要求工学 / ソフトウェア工学 / UML / CASEツール / トレーサビリティ |
研究実績の概要 |
複数システムの相互作用に着目して,それぞれのシステムにとって有用な追加機能を発見するための手法をほぼ確立した.また,その手法をガイドするための基礎となるツールのプロトタイプの開発が完了した.ツールの評価はまだ行っていない. 昨年度の時点においては,異なるシステムのモデル要素間に対応をとるためのスレテオタイプを付記して,システム連携を定式化する手法をとっていたが,実際の作業について煩雑であることが判明した.そこで,モデル要素間のトレーサビリティリンクを導入し,そのリンクに型を導入することで,手法の煩雑性を低減させた.導入した型は,import/export型,trigger/discovery型そしてimpact型の3種類である.その内 impact型のリンクを用いて,システムの相互作用によっての利点,欠点を定量化するためのメトリクスを計算する手法を提案した. プロトタイプツールは,既存の商用モデリングツールの機能拡張を行うことで実現した.ツールはクライアントサーバー型のアーキテクチャをとっており,ネームスペースの制約によるモデル要素の名前衝突等を回避する機能も備えている.元としたモデリングツールでは,UMLだけでなくデータフロー図,マインドマップ,フローチャート等のモデル化言語も扱うことが可能であるため,これらについても昨年度から推し進めており,全く異なるモデル化言語間による相互連携を扱うことがより容易となった.ツールの準備的な試用実験から,ツール動作の安定性,無理のない使用性であることは確認できた. 手法については2019年11月の国際会議において公表し,ツールについても2020年9月の国際会議に採録が決定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に示した工程表通りに進んでいる.ただし,成果を公表する国際会議は当初想定したものと異なる場合がある.今年度,モデル化言語と手法の見直しを行い,表現法の簡略化を行ったため,ツールのプロトタイプの完成を2019年度内に達成することができた.
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今後の研究の推進方策 |
現時点のツールは最低限の機能のみを有するため,すぐに評価実験を行うことはできないが,2020年度の初期にサポート機能を追加し,夏頃には評価実験にとりかかりたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議参加費が予想よりも安価であった.これは,外国為替の変動によるものである.次年度において,国際会議参加費または論文掲載費にあてる予定である.
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