従来,業務やその支援システムの要求獲得や仕様化の研究では,その業務のみに着目している場合が多かった.システムをシステムの群体を見る研究もあるが,全く異なる業務間の連携まで視野を広げる研究が見られなかった.現実世界では,多数の業務群が相互に連携し,ある作業者が複数の業務に関与していることが当たり前である.この当たり前の点を前提とした要求獲得や仕様化の研究は学術的にも新規であるだけでなく,現実社会で行われている業務の改善やシステム化に大きく貢献するものと期待される.加えて,単なる方法論の提供だけでなく,それを半自動的に実施するツールの開発を行ったため,研究結果の利用促進を期待することができる.
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