研究課題/領域番号 |
18K11252
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
加藤 弘之 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (10321580)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | XQuery / provenance |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,近年その有効性が示されているP2Pアプローチによる「XMLデータ相互運用問題」において,検索結果の信頼性を計算する枠組みを構築することである.これを達成するために挙げた四つの目標のうち,当初の計画通り当該年度は,「XQueryの来歴情報の定義とそれに基づく等価変換規則の開発」を以下の手順で行なった.まず,XMLの問合せ言語であるXQuery問合せの静的解析に基づく計算の抽象化を用いて,問合せの結果データがどこからどのような経緯で計算されたかの来歴情報を定義を,(1) XQueryの計算を数学的な構造を用いて抽象化し来歴情報を定義し,(2) 定義した来歴情報に基づくXQuery問合せの等価変換規則を開発した.具体的には以下の通りである. (1)について,まず入力データのスキーマ情報を利用した入力データをそのまま返す等価問合せを,連続する子軸アクセスを用いて定義することで,これまでの研究成果である拡張Dewey Codeを入力データに割り振ることができるようになった.問合せとこの等価問合せの合成と副作用の除去による最適化によって,より詳細な来歴情報が定義できるようになった. (2)については,拡張Dewey Code上のDDOのもとでの同値類を定義することで,等価変換規則を開発し,これらの規則を適用することで,より効率的な問合せへの変換できることを確認した. また,これらの技術は,ビューに対する問合せ書き換え技術の一つであるLAVアプローチへも適用可能であることがわかり,今後はLAVアプローチも視野に入れて研究を展開する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進んでいるため
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として,当初の研究計画に基づき進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたドイツテュービンゲン大学への訪問による研究交流が,相手方の都合により日程調整がうまくいかずに,実施できなかったため.
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