研究課題
本研究の目的は,統一的なスキーマを定義する必要がなくかつ様々な変化に対応可能なP2Pアプローチによるデータ相互運用問題において,検索結果の信頼性を計算する枠組みを構築することである.P2Pアプローチでは,あるピアAから別のピアBへのデータ変換であるスキーママッピングによってデータ統合が実現される.ここで,スキーママッピングはデータベースビュー定義とみなすことができる.ピアBにおけるデータの更新をピアAのデータに反映させることは,ビュー更新問題と呼ばれ,データベースの研究分野では古くから長年取り組まれてきた未解決問題であったが,昨年度に関係データベースの問合せ言語の一つであるDatalogを用いて解決した.今年度の成果は,昨年度開発したDatalogを用いたビュー更新の記述に関するデバッガを開発した.入力したビュー更新戦略が正しいものかどうかを判定し,正しくない場合に,なぜ正しくないのかを反例を生成することで利用者に通知する枠組となっている.これにより,利用者はビュー更新の記述が容易にできるようになった.
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画に記した研究通りに進んでいる.
今年度の成果を踏まえ,現状の状態の変化からビュー更新戦略を記述する手法から,データベースの操作からビュー更新戦略を記述できるように拡張する予定である.
次年度使用額が生じた理由は,8月に予定していた,ドイツでの海外連携研究者との議論及び,コペンハーゲン,ウィーンで開催予定だった国際会議への参加といった海外出張が,covid19の流行により取りやめとなったためである.使用計画としては,海外連携研究者との議論及び,国際会議参加のための海外出張に使用する予定である.covid19の流行終息が難しい場合,遠隔議論のためのネットワーク整備に使用する予定である.
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Proceedings of the VLDB Endowment
巻: 13 ページ: 2897~2900
10.14778/3415478.3415503
Programming Languages and Systems (LNCS, volume 12470)
巻: 13 ページ: 323~342
10.1007/978-3-030-64437-6_17