研究課題/領域番号 |
18K11252
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
加藤 弘之 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (10321580)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | データベース / 問合せ言語 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,統一的なスキーマを定義する必要がなくかつ様々な変化に対応可能なP2Pアプローチによるデータ相互運用問題において,検索結果の信頼性を研鑽する枠組みを構築することである.P2Pアプローチでは,あるピアAから別のピアBへのデータ変換であるスキーママッピングによってデータ統合が実現される.ここでスキーママッピングはデータベースビュー定義とみなすことができる.ピアBにおけるデータの更新をピアAのデータに反映させることは,ビュー更新問題と呼ばれ,データベースの研究分野では古くから長年取り組まれてきた未解決問題であったが,近年研究代表者らの研究で一つの解決策を示した. 今年度の成果は,昨年までの成果である非再帰データログを用いたビュー更新問題の解決手法をさらに発展させ,再帰が扱えるように対応し,実用的な複数の例を用いてその有効性を確認した.具体的には,プログラムを再帰と非再帰部分に分割し,再帰部分についてはあらかじめvalidityが保証されているものをライブラリとして呼び出せるようにし,非再帰部分についてはユーザの意図に基づき記述できるようにした.特に,特定の再帰パターンを高階文法で記述することでmodularityとユーザの記述のしやすさを同時に達成する枠組みを開発した.ユーザによって記述された高階データログを一階データログに変換するアルゴリズムを開発し,そのアルゴリズムの健全性と完全性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に記した研究通りに進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果を踏まえ,実用的な観点からの高速化に取り組む予定である.具体的にはデータベースの更新操作を利用したoperation-basedな枠組みへと拡張する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,ドイツでの海外連携研究者との議論及び,中国及びデンマークで開催予定であった国際会議への参加といった海外出張が,Covid19の流行により取りやめとなったためである. 使用計画としては,海外連携研究者との議論及び,国際会議参加のための海外出張に使用する予定である.Covid19の流行終息が難しい場合,遠隔議論のためのネットワーク環境の整備に使用する予定である.
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