研究実績の概要 |
本研究では,複数の携帯デバイスを物理的かつ論理的に連携させたモバイルタイルドディスプレイ(MTD)の開発を行う。4K映像などの高精細ストリームを対象とし,リアルタイムストリーム制御や携帯デバイス連携制御(セキュアグループの定義,再生同期)にエッジコンピューティングを応用する。本システムの開発と実験的評価を通して,通信遅延や帯域変動等の外的要因に対する提案手法の効果や利用者に対する利便性・操作性への影響について明らかにする。 令和3年度は,前年度までの成果を最終成果として取りまとめ,国際会議で発表した。MTDを構成する際に,端末特性やネットワーク特性に応じたグルーピングとグループ内での特性差を考慮した画面配置手法を組み合わせ,これらをエッジコンピューティングで実現することにより,処理オーバーヘッドを考慮しつつも映像品質に対する主観的な効果が見られることを明らかにした。これにより当初研究計画として掲げていたエッジコンピューティングで実現するモバイルタイルドディプレイの実装と評価を達成することができた。 また本研究の発展として,HLS(HTTP Live Streaming)におけるHTTPプロトコルバージョンの比較評価を行った。これは,モバイルタイルドディスプレイを構成する端末群に対してストリームを配信する際に生じる影響について明らかにするためである。複数ストリームを同期再生しつつ品質維持を実現するために必要な対応について,HTTP/1.1, HTTP/2, HTTP/3の各HTTPプロトコルの側面から評価を行った。
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