【最終年度に実施した研究の成果】 オンデマンド型バリアフリーストリートビュー(BFSV)システムを完成させるために、令和2年度においては「ステップ2:動画版BFSVシステムの開発」に関する研究を行った。 平成30年度に提案した静止画版BFSVシステムにおけるリアルタイム物体検出YOLOを用いたモザイク処理方法を応用したパノラマ動画におけるモザイク処理方法を提案し、その精度評価を行った。具体的には、顔検出のデータセットであるWIDER FACEを用いて顔検出モデル作成し、その顔検出モデルによるYOLOを用いた顔検出方法を提案し、その精度評価を行った。結果として、提案手法は動画版BFSVシステムでの実用を想定したモザイク処理を実現する上で有効であることを示すことができた。 【研究期間全体を通じて実施した研究の成果】 プロトタイプシステムを改良し、静止画版BFSVシステムを開発するために傾斜情報の取得方法とモザイク処理方法の検討を行った。傾斜情報の取得方法については、重力センサによる算出、ジャイロセンサ・加速度センサに相補フィルタを用いた算出方法を比較検討することで、加速状態でも少ない誤差で傾斜角を取得する方法を提案した。モザイク処理方法については、リアルタイム物体検出YOLOを用いた人物検出方法を提案した。結果として、静止画版BFSVシステムを開発することに成功した。 続いて、動画版BFSVシステムを開発するためにパノラマ動画の表示方法の検討を行った。パノラマ動画の表示方法については、位置情報をもとにGoogleマップ上に経路を作成し、その経路にパノラマ動画のシークバーのような機能をもたせることで、確認したい地点の経路をクリックすると、その地点からのパノラマ動画を再生できる表示方法を提案した。結果として、最終年度に実施した研究の成果と併せて動画版BFSVシステムを開発することに成功した。
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