ネットワークを利用したセンサのインテリジェント化の形態として、初年度である 2018年度から,クライアントの画像を用いて,サーバに位置を問い合わせて,位置を特定するための画像位置計測システムへの通信への応用に取り組んできた.UMapは自己位置推定システムであり,スマートフォン以外にも様々なデバイスはUMapのクライアントとなることも可能である.2019年度には,オクルージョン除去により検出精度向上により,UMap 全体の信頼性向上に成功した.さらに,ユーザ参加型であるので,動機付け要素の定義をし,場所に紐づけた報酬を与えることにより,未センシング領域を少なくするための手法を開発した. 2020年度には 2019年度に開発した,人の声に基づく感情推定システムを実際の応用へと展開した.発話された内容を元に感情をサポートベクタマシンで抽出し,アバターを使ったオンラインコミュニケーション通信へと展開した. 本研究では,REST型通信を採用し,すべてのメッセージをHTTPリクエストのPOSTメソッドに集約し,クライアント・サーバ間のメッセージを定義した.1.5 MBの5種類の画像をAndroid端末からLSDサーバ経由でUMapサーバに送信し,結果が返ってくるまでの往復時間(RTT)を測定する簡単な実験を行い,2分程度で結果が得られることが確認された. 本研究期間全体をとおして,ネットワーク上で機械学習をし,クライアントとネットワーク上にあるサーバにある全体のシステムとしてネットワーク仮想センサという概念を具現化することができた.近年,さらに進化を続ける機械学習の最新成果を取り込み,ネットワーク側での知識を高度化することにより,多くの分野にネットワーク仮想センサを展開できる見込みがついた.
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