研究課題/領域番号 |
18K11278
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
小川 将克 上智大学, 理工学部, 教授 (90624411)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 群衆行動 / 無線LAN / CSI / 加速度 |
研究実績の概要 |
2018年度は,群衆行動を推定するために,1) 近接環境における人々の行動状態の類似度の検出方法,2) 人の移動方向の検出方法,の2項目について検討を実施した.人々がデバイスを保持するか否かの観点から,前者はデバイス依存型検出,後者はデバイスフリー型検出に分類される. 1) 人々がスマートフォンを保持することを前提とする.スマートフォンの加速度センサ値から機械学習により行動状態(静止,歩行,走行)を識別する.無線LANアクセスポイントを経由してサーバに行動状態が送信され,Gestalt Pattern Matchingにより人々の行動状態の類似度を判定する.近接環境は,スマートフォンからのデータを受信する無線LANアクセスポイントおいて,受信電力の差が小さければ近距離と判定することで,近接環境における行動状態の類似性を検出する. 2) 人々の移動方向を検出するために,IEEE802.11nで採用されているMIMO-OFDM伝送に着目した.OFDMは直交する複数サブキャリアを利用した伝送方式である.MIMOは複数の送受信アンテナを利用するために,送受信機間で複数伝搬路が形成される,伝搬情報はCSI(Channel State Information)と呼ばれ,振幅と位相情報があり,送受信アンテナのペアごと,サブキャリアごとにCSIが得られる.サブキャリア間や,送受信アンテナのペア間でのCSIの違いにより,人の移動方向を検出する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は初年度のため,初期検討として,加速度データからの類似度の分析,電波伝搬特性であるCSIの分析を実施したため,おおむね順調である.
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は,人々がスマートフォンを保持し,スマートフォンからの情報(電波の受信強度,加速度)を利用するデバイス依存型と,人々からの情報を利用しないデバイスフリー型の検出であり,それぞれの利点を活かした方法である.ユースケースによって,これらの検出方法が使い分けれるため,デバイス依存型とデバイスフリー型の検出方法の検討を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は,実験機材の選定に時間を要したため,次年度使用額が生じた. 2019年度は,実験機材の購入を早期に行うとともに,外部発表を積極的に行っていく予定である.
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