当初,本研究課題は2020年度までのものとしていたが,新型コロナウイルスの影響により,2021年度までに延長している。本研究課題における情報連携システムについては,プロトコルの構築は既にできており,2021年度における課題は,その成果の発表,および,実装の際の細部,具体的には,ユーザが所有するスマートデバイスと制御センター間の認証の実現方法の選択肢の拡張である。 前者については,それまでに国内の論文雑誌に投稿したものの採録に至らなかった箇所を再考し,実装することを視野に入れた上で,プロトコルを整理しまとめ直すことにより,2021年11月に開催された国際会議ICSPIS(International Conference on Signal Processing and Information Security)2021において,査読付き論文として発表することができ,さらに本研究課題の成果を国外に向けて発信することができた。 後者については,2020年度に取得することができた複数所有物によるユーザ認証に関する特許の内容を再考し,その範囲をさらに広げ拡張する分割出願を行うことにより,それについても特許を取得することができた。具体的には,秘密分散法を利用することにより,ユーザが所有する複数(N種類)の所有物のユーザ情報媒体(身分証明書やサービスシステムの会員証など)のうち,任意に選択したn(<N)種類の情報媒体で認証が可能となるものである。これにより,ユーザの利便性を向上させることができる。
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