研究実績の概要 |
未知のなりすまし攻撃を検知し,あらゆるなりすまし攻撃に対して安全な生体認証方式,Unspoofable Biometricsの開発を行った.最終年度の検討では,現実的な環境における攻撃手法の検討をさらに進め,より高度な生成型機械学習モデルを使ったなりすまし攻撃やその対策に対する検討を進めた.これにより顔のモダリティにおける生成型AIに基づく特徴量ベースのテンプレート復元攻撃,およびこれに基づく生体認証システムへの攻撃手法を実現し,生体認証の著名な国際会議であるBIOSIGにて発表した.また,関連研究がその新規性および有用性が評価され,国内会議SBRA2022にてSBRA発表賞を受賞した. 研究期間全体を通して,まず,異常検知に基づく未知のなりすまし攻撃検知アルゴリズムの研究により,実データに対する高精度ななりすまし検知アルゴリズムを提案し,その有効性を掌紋データにより検証した.これらを多くの実(偽造)データにより実証することが当初の目標であったが,新型コロナウイルス感染状況の拡大に伴い,実生体データや偽造データの収集を伴う評価を実施することが叶わず,研究期間途中からAdversarial Examples, Deepfake, Template Reconstructionといった機械学習アルゴリズムを用いた生成型データを用いた攻撃手法を中心としたなりすまし攻撃の脅威評価へと研究方針を転換し,顔,音声といった複数のモダリティを対象とし多くのなりすまし攻撃を提案することでなりすまし攻撃の脅威を幅広く検証した.これらの検討を通して,Unspoofable Biometricsに関して検知手法および評価のための攻撃手法の両面から実証した.
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