研究実績の概要 |
モバイルアドホックネットワークにおける移動体の経路認証および制御を行うために、我々は、OWCN (One-way Cross Networks) というハッシュ連鎖構成法を提案している。OWCN は以下のように定義される。h をハッシュ関数とし、(s1, ..., sk) を、種の k 個組とする。k-OWCN とは、V_{r1,...,rk} := (h^r1(s1), ..., h^rk(sk)) を頂点とする有向グラフ GO = (VO, EO) である。ここで、あるただ一つの i が存在して、 pi = qi + 1 であるとき、(V_{p1,...,pk}, V_{q1,...,qk}) ∈ EO である。このような OWCN の定義により、Lamport のワンタイムパスワードと同様の手法により、OWCN を用いた経路認証を行える。さらに、OWCNの双対の関係にある、デュアルOWCNなる構成も定義される。 本年度は、プロトコルの詳細について研究を行った。特に、可能過去経路集合、可能未来経路集合などの新しい概念や、デュアルOWCN による経路情報改ざん検知について、研究を行った。また、攻撃モデルやデュアルOWCN の公開法について検討を行った。デュアルOWCNの公開手法については、以下の3とおりの手法を検討した。(i) 可能経路集合と経路の差を小さくする場合 (ii) 進行方向が大きく変わる場合 (iii) 物理的な経路情報(地図情報)を考慮に入れた場合。
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