分散型の暗号プロトコルでは,複雑な通信がプロトコルのデッドロックの要因となったり,プロトコルの実行速度のボトルネックとなることが多く,ユーザ間での複雑な通信を可能な限り排除することが理想である.本研究で提案した暗号プロトコルは全て,非常に単純な一方向の通信で構成されており,通信に起因するデッドロックの発生やパフォーマンス低下を防ぐことが可能となっている.しかし,複雑な通信を行うプロトコルと比較して,非対話的なプロトコルは通信量の増大を招くことが多いが,本研究ではNIMPC(非対話型のマルチパーティ計算)において,通信量の削減に成功している点で学術的意義は大きいと言える.
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