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2020 年度 実施状況報告書

テイント解析技術を用いたデータ漏洩防止機能を有するソフトウェア実行基盤

研究課題

研究課題/領域番号 18K11307
研究機関立命館大学

研究代表者

毛利 公一  立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90313296)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード情報セキュリティ / 情報漏洩防止 / オペレーティングシステム / 仮想化技術 / テイント解析
研究実績の概要

本課題は,人が介在する必要のない安心・安全なソフトウェア実行基盤として,具体的には次のような技術の開発を目的とする.(1)プログラム内でのデータの流れを追跡する機能(テイント解析機能)とテイント解析機能をOSから操作可能とするインタフェースを有するプロセッサ(エミュレータ)の開発.(2)ポリシーの管理機能,データとポリシーの対応付けの管理機能,データをネットワーク・ハードディスク等外部へ出力する時に,ポリシーに基づいて出力の可否を判定する機能(出力制御),出力が許可された場合,リモートホスト・ハードディスク等の外部記憶装置へポリシーを引き継ぐ機能を有するOSの開発.(3)ソフトウェアコンテナに基づく実アプリケーション実行基盤構成技術.
上記を実現するために,2019年度までに研究計画で定めた(a)データの区別法,(b)データの追跡法,(c)保護方針の記述法,(d)保護方針の管理法が達成されていた.2020年度は(e)保護方針に基づいた出力制御法,(f)ソフトウェアコンテナ方式による構成法について研究を進めてきた.
(e)の保護方針に基づいた出力制御法においてOSがデータを出力しようとしたとき,すなわちプロセスがwriteシステムコールを発行したときに,そのデータの保護方針の記述を解析した上でその可否を判定する機能について実現した.これによって,本課題で目標としていたソフトウェア実行基盤として必要となる機能について,その構成法を実現可能性とともに示すことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究の実績の概要」で述べたように,本課題を(a)~(f)の6段階に分割して遂行してきた.2019年度までに(a)~(d)を予定通り達成していた.2020年度は(e)と(f)を遂行することで課題全体の目標達成を計画していた.しかし,(e)については達成できたものの,コロナ禍により大学における研究機能を十分稼働させることが困難となったため,(f)については未完了となった.
このように,予定どおりとは行かなかったものの,研究自体になんらかの推進不可能となるような事態が発生したわけではない.したがって,「やや遅れている」と判断した.

今後の研究の推進方策

2021年度も,コロナ禍の状況がどうなるかは見渡せないものの,オンラインを用いた研究環境についても改善されてきた.
引き続き研究室メンバーの協力を得つつ,学会等における同分野の研究者との交流も活用し,着実に進めたい.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍を原因とする研究の遅れにともない国際会議および論文誌への投稿が遅れており,それにかかる旅費・投稿費・参加費を2020年度に執行できなかった.2021年度にこの遅れを取り戻して成果発表に繋げ,そのための投稿費・参加費等として執行する予定としている.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ARM版XenにおけるVM切替え処理の性能評価2021

    • 著者名/発表者名
      林 海豊,片山 吉章,鄭 俊俊,毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会
  • [学会発表] 組込みシステム統合のためのマルチコア制御基盤「誉」の設計2021

    • 著者名/発表者名
      渡部 聡也,田中 玲,後藤 秀樹,鄭 俊俊,毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会
  • [学会発表] IoT機器向けアプリケーション隔離実行基盤の検討2021

    • 著者名/発表者名
      松下 意悟,鄭 俊俊,藤松 由里恵,金井 遵,鬼頭 利之,毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会
  • [学会発表] ユーザ操作特定のためのカーネル内でのプロセス挙動収集手法2021

    • 著者名/発表者名
      藤枝 慶弘,羽角 太地,島 成佳,安田 真悟,鄭 俊俊,毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会
  • [学会発表] 動的解析システムのネットワーク接続の有無によるマルウェア検知精度の比較2021

    • 著者名/発表者名
      梶原 友希,鄭 俊俊,毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会
  • [学会発表] 対象スレッドの違いによるマルウェア検知精度の比較2020

    • 著者名/発表者名
      梶原 友希,鄭 俊俊.毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会
  • [学会発表] Windowsにおけるハッシュ値の伝播によるスレッドインジェクション機能を持つマルウェアの特定手法2020

    • 著者名/発表者名
      田中 大樹,川古谷 裕平,岩村 誠,鄭 俊俊,毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会
  • [学会発表] Linuxゲスト向けCuckoo Sandboxへのファイル保存機能の実現2020

    • 著者名/発表者名
      原田 隆成 , 鄭 俊俊 , 毛利 公一
    • 学会等名
      情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会
  • [備考] 立命館大学情報理工学部システムソフトウェア研究室

    • URL

      https://www.asl.cs.ritsumei.ac.jp/

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公開日: 2021-12-27  

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