研究課題/領域番号 |
18K11317
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
片山 薫 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (00336520)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アセンブリ / 3D CAD / 部分検索 / 配置 |
研究実績の概要 |
本研究は、多くの部品から構成される三次元CADモデル(アセンブリモデル)を対象とした高精度な部分検索技術の開発を目指している。本研究の特徴は、CADモデル全体の形状やCADモデルを構成する各部品の形状の違いだけではなく、同一形状であっても材質など特性が異なる部品が複数ある場合にはそれらの幾何学的な配置の違いを考慮した検索を実現する点にある。2019年度の実績は以下の通りである。 1.三次元ラドン変換と球面調和関数展開を用いたアセンブリモデル検索方法の開発:これまでのアセンブリモデル検索方法では、アセンブリモデルを様々な角度から平面に投影したものを2次元ラドン変換とフーリエ変換を使って特徴量に変換していた。この方法では、アセンブリモデルの平面への投影に処理時間を要し、またモデルの特徴量が平面への投影ごとに作成されるため、二つのモデルの違いを計算する際にその対応関係を総当たりで調べる必要があった。それに対して、三次元ラドン変換は平面への投影を計算するよりも効率的であり、球面調和関数展開を用いて得られる特徴量は投影間の対応関係を総当たりで調べる必要がないため、処理時間を短縮することができる。 2.三次元ラドン変換を用いたアセンブリモデル部分検索方法の開発:従来のアセンブリモデルの部分検索方法では、上記と同様にアセンブリモデルを様々な角度から平面に投影したものを2次元ラドン変換したものを特徴量として利用していた。それに対して、三次元ラドン変換は平面への投影よりも効率的に計算することができ、またそれにより得られる特徴量のサイズも小さくなるため、処理を効率化することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では「投影データのサイノグラムを利用したアセンブリ構造の違いを反映する三次元CAD モデルの特徴量の開発」、「アセンブリ構造を考慮した効率的な部分モデル検索アルゴリズムの開発」、「三次元CAD アセンブリモデルを対象とした部分モデル検索システム評価用ベンチマークデータの作成」の三つを課題として挙げているが、いずれの課題についてもシステム開発を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度はこれまでの研究成果を引き継ぎ、研究計画に記載した課題に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)新型コロナウイルスの影響で参加予定の学会がオンラインで開催されることになり、旅費の使用額が予定より少なくなった。 (使用計画)研究の進捗に合わせたシステム開発用機材(PCなど)やソフトウエアの購入と、論文掲載料の支払い、研究発表のための出張旅費等に使用する予定である。
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