仮想計算機技術の発達により、地理的に分散する大学や組織が提供する計算機資源をソフトウェア制御技術により動的に多数確保し、仮想計算資源を共有するマルチサイト・クラウド実験基盤の構築技術は成熟しつつある。また、これら広域に分散する仮想計算機基盤を結合する仮想ネットワーク技術も研究開発が進み、SDN (Software-Defined Networking)を基盤としたネットワークの実験基盤も整いつつある。しかしながら、仮想計算機と仮想ネットワークを統合した形であるNFV (Network Function Virtualization) 技術を広域環境上で評価可能とするテストベッド構築技術は未確立な状態である。そこで、本研究では、広域に分散する仮想計算機基盤およびそれらをつなぐ仮想ネットワーク上において、動的にNFVに関する実証的研究を可能とする国際的なNFVテストベッドの構築を目指し、研究開発に取り組んでいる。本年度は、研究期間の延長に伴って計画変更をしていた研究成果の取りまとめ、報告に取り組んだ。 研究期間全体を通じて、本研究では、クラスタ管理システムであるRocks Cluster ToolkitとそのモジュールであるOpen vSwitch Rollを配備し、SDN/NFVが利用可能なテストベットを容易に構築可能とするシステムの研究開発を行い、また、IoTやエッジコンピューティング環境におけるNFV配備やパフォーマンス評価などを行った。
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