研究課題
基盤研究(C)
量子計算には、大きくわけて量子ゲート方式と量子アニーリング方式がある。本研究では量子アニーリング方式を主軸とし、組み合わせ最適化問題を効率的に解く方法について研究した。系の対称性を利用した制約量子アニーリングや、その過程で起こりうる局在現象について新奇な成果を得た。また、量子アニーリング方式に着想を得た専用計算機(イジングマシン)も利用して、単純な最適化問題だけでなく、機械学習やパターン形成などの新たな計算方法を提案した。
統計物理学
量子計算の実現には、量子ダイナミクスの制御が重要となる。本研究で得られた制約量子アニーリングの結果や局在現象に関する知見は、量子ダイナミクスの制御に密接に関わるものである。本研究の成果は、量子ダイナミクスの理解や、新奇な視点の提案という点で、学術的な意義をもつ。社会的にも量子技術への期待が高まる中、実用的な問題への適用可能性を示す結果が得られたことは、今後の研究開発への貢献という意味でも有益である。