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2020 年度 実施状況報告書

歯科矯正治療支援を目指した歯の移動予測データ同化システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K11339
研究機関工学院大学

研究代表者

須賀 一博  工学院大学, 工学部, 准教授 (30408992)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード歯科矯正 / データ同化 / 歯科矯正治療支援 / 歯の移動予測 / 矯正力評価 / 光学印象
研究実績の概要

健康長寿社会を実現するために,口腔内の健康を保つことが重要とされている.歯科矯正治療は,口腔内を健康に保つ手段の一つである.本研究では,より安全で効果的な歯科治療の実現を支援するために,力学的な根拠に基づく歯の移動予測システムを開発することを目的としている.具体的な課題は,①臨床応用可能で効率的な歯の移動方向予測システムの開発,②データ同化による歯移動量の定量予測システムの開発,である.また,挑戦的課題として,③長期間に渡る歯の移動予測を設定している.
本年度は,②に関連する歯の材料定数や矯正力を同定するシステムの改良を目的として研究を進めることを計画していた.共同研究機関と共同で模擬歯モデルや臨床データを用いた実験的有効性検証を行う予定であった.しかしながら,コロナウイルス感染予防の観点から今年度の実施を見送った.
一方で,①に関連して,歯の移動予測モデルのさらなる改良を進めた.予測モデルは逆問題を解くことで歯の移動方向を決定する.この逆問題は,初期値依存性があるという問題があった.まず,初期値依存性を克服するために,有効なアルゴリズムの選定とそのアルゴリズムを利用する際に効果的な設定パラメーターの最適化を行った.次に,逆問題を解くために必要な目的関数の感度を調整する方法を提案した.以上の改良により,歯の移動予測精度が向上することを数値実験により確認した.
研究期間の延長が認められたため,次年度は②に関連する研究課題に取り組む予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1. 歯の移動予測モデルの改良が当初の想定より進んだ.
2. コロナウイルス感染予防の観点から研究リソースへのアクセスが制限され,予定していた「歯の材料定数や矯正力を同定するシステムの改良」のための実験的有効性検証の実施を見送った.
当初の想定より進んだ課題がある一方で本来計画していた課題に取り組めていないため,「遅れている」と判断した.

今後の研究の推進方策

延長が認められた研究期間で,本年度残された課題に取り組む.しかしながら,次年度も計画した課題の実施が難しい場合は,実施範囲を限定して課題を実施する,実験を数値実験で代用できないか検討する,各システムの構成要素を改良するといったように実施内容を変更しながら,最終目的を達成するための基盤確立を進める.

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染拡大の影響から参加を予定していた学会や研究会などに参加できなくなり,旅費,参加費を支出しなかったため.また,共同研究先での実験を見送り,旅費,消耗品費を支出しなかったため.
次年度,上記に関連する旅費,参加費,消耗品費として使用する計画である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 数値解析の仕組みと解析のポイント2021

    • 著者名/発表者名
      須賀一博
    • 雑誌名

      日本歯科理工学会誌

      巻: 40 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 小型力覚センサーを用いた矯正力シミュレーション2021

    • 著者名/発表者名
      宇尾基弘,頼威任,簡野瑞誠,小野卓史,竹村裕,須賀一博,曽我公平
    • 雑誌名

      日本歯科理工学会誌

      巻: 40 ページ: 29-32

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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