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2018 年度 実施状況報告書

画像復元処理における局所領域ごとの逆問題解法および特異値分解の高効率計算法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K11351
研究機関信州大学

研究代表者

白井 啓一郎  信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (00447723)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード特異値分解 / 摂動論 / 高速化
研究実績の概要

画像の画素ごとに,周辺画素値のデータを用いて,そのデータ行列を反復法を用いて特異値分解して特異値を縮退処理(微小な特異値を0に削除)する方法を実装し,実行速度を計測した.ノイズ除去法である ASTV 法 [2] に組み込んだ場合,実行時間を1/5に短縮できる.この研究成果を信号処理シンポジウム [1] (及び,電子情報通信学会の信越支部大会)で発表した.
上述のシンポジウムにおいて,他の研究者から「特異値分解を行う行列が摂動した場合,特異ベクトルがさほど変わらないのであれば,その特異値がどのように変わるかは予想でき,更に高速化できる可能性がある」との行列の摂動についての意見を頂戴し,摂動を考慮して特異値を求める際の反復法の初期値を決める実験を行った.しかし,行列サイズが小さいこともあってか効果は得られず,摂動予測に計算を費やすよりは,反復法の反復回数を増やすほうが良い結果が得られた.
参考文献:[1] 伊藤 勇弥, 白井 啓一郎, 宮尾 秀俊, 丸山 稔, "複数の色や成分を扱う画像処理における画素ごとの特異値分解の計算効率化," 電子情報通信学会 信号処理シンポジウム, pp.270-275, 2018. [2] S. Ono, K. Shirai, and M. Okuda, "Vectorial total vari-ation based on arranged structure tensor for multichannel image restoration," in Proc. IEEE ICASSP, pp.4528-4532, 2016.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

追加実験と論文化作業に時間がかかっている.プログラミングを担当している学生が就職活動中であり,白井も教育業務に追われて論文化にエフォートを割けていない.

今後の研究の推進方策

ASTV法などでは,画素ごとに特異値分解を行う処理を,何度も繰り返す.このとき,以下の2つの計算簡略化が考えられ,これを試したい.
1.前回の特異値分解の結果を各画素において保存し,次回の特異値分解の際に利用する.すなわち,同一画素において,時間方向に前回の特異値分解の結果を伝播させる.関連して,時間方向の伝播と隣接画素方向への伝播の優先のさせかたなどを検討する.
2.1,のように反復させる際,特異値分解の結果が変わらなくなった画素値での計算をスキップすることで,どの程度計算を省けるかを調べる.画像データにおいては,最大特異値が変わらない場合,それよりも小さな特異値が変わることは少ないのではないかと思われる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 複数の色や成分を扱う画像処理における画素ごとの特異値分解の計算効率化2018

    • 著者名/発表者名
      伊藤 勇弥, 白井 啓一郎, 宮尾 秀俊, 丸山 稔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 信号処理シンポジウム
  • [学会発表] カラーライン特徴を用いた画像処理における画素ごとの特異値分解の計算効率化の検討2018

    • 著者名/発表者名
      伊藤 勇弥, 白井 啓一郎, 宮尾 秀俊, 丸山 稔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 信越支部大会
  • [学会発表] 複数の色や成分を扱う画像処理における画素ごとの特異値分解の計算効率化の検討2018

    • 著者名/発表者名
      伊藤 勇弥, 白井 啓一郎, 宮尾 秀俊, 丸山 稔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 回路とシステムワークショップ

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公開日: 2019-12-27  

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