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2020 年度 実施状況報告書

画像復元処理における局所領域ごとの逆問題解法および特異値分解の高効率計算法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K11351
研究機関信州大学

研究代表者

白井 啓一郎  信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (00447723)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード特異値分解 / 摂動論 / 高速化
研究実績の概要

論文投稿時の査読結果をもとに,以下の実験を行った.
まず,用いている画像特徴量(局所的な色の分布のしかたを表すカラーライン特徴)や提案する計算が,画像の輪郭などの色や明るさの境界においても成り立つことを示す実験を行った.カラーライン特徴は単一画素の特徴ではなく,付近の画素の傾向を表す特徴であるため,画像の輪郭においても滑らかに変化する.そのため,提案する反復法をもとにする計算を行ったとしても,数回の反復で十分に最適値へと収束する.また,提案法はこの計算を並列計算しており,画像の縦方向もしくは横方向に各列並列して計算を行うが,通常,このような並列計算が成り立たない場合は,計算が進むにつれて各列の値に際が生じて縞模様が生じるが,提案する方法ではそのような模様は生じておらず,提案法を用いて高速化する前の結果と同じ自然な結果を得られることを示した.
別の実験として,カラーライン特徴(色の分布)の向きと大きさに,提案法を用いる場合と用いない場合でどの程度違いが生じるかを確認する実験を行った.向きについては,幾つかの画素においては向きが異なる場合があったが,大きさがゼロに近く,小さな球状の分布であったため,異なる向きが計算されたとしても,処理結果には影響を与えないことを示した.

2020年度は対外発表は行っておらず,論文誌論文への投稿と査読コメントをもとにした追加実験を主に行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究結果をまとめて論文誌へと投稿したが,コロナ禍の影響か,査読者らとの議論が良好には進まず,また,査読コメントをもとにした実験に予想以上の時間が必要であった.そのため,研究期間の1年延長を行った.

今後の研究の推進方策

問題を解決するアプローチとして「統計的な方法」について,検討・開発をすすめる.画像のどのような箇所において,特異値分解の結果が変わりやすいか,反復的な特異値分解において,どの程度の反復で結果が収束するかを調べ,画像の場所によって計算リソースの割当を変えられるかどうかを調べる.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により研究進捗に支障が生じたため,本来使用する予定であった目的に使用できておらず,研究期間を1年延長し,延長年度において目的に応じて予算を使用する.

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公開日: 2021-12-27  

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