本研究は、ユーザに負荷をかけずに自然なロボットとのインタラクションを通じた記号創発学習を実現することを目的としている。具体的には、ユーザ主導型の対話を通じたロボットによる記号創発学習を実現することを目指している。2022年度の成果は以下の二つである。 1. マルチモーダル協力調整対話の収集: 協力行動の中での調整発話のタイミングを分析するために、協力行動インタラクティブシミュレータRoCoCoを利用し、2人の被験者がRoCoCoの仮想空間で対話をしながら身体的協力を実行した場合のマルチモーダル対話データを収集した。本データを用いて、複数均衡軌道分析と対話タイミング分析を実施する予定である。 2. 語用論的発話生成理解のための深層学習手法の開発: ユーザ主導型対話を通した記号創発学習の効率化のために、新しい深層学習手法を開発し、基本動作を確認した。 以上の成果により、自然なロボットとのインタラクションを通じた記号創発学習の実現に向けた新たな一歩を踏み出した。今後は、収集した対話データと開発した深層学習手法を活用して、さらなる研究を進める予定である。
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