研究課題
本研究課題では,ある特定の領域にのみ音波を放射できるパラメトリックスピーカと位相干渉を利用した音響測距法を組み合わせて,自動的に人を検知し,その人に対してピンスポットで音を提示するシステムを実現することが研究の目的である.この研究課題の解決を実現するために,以下の3つの研究課題において,それぞれの課題を明らかにする計画である。・【パラメトリックスピーカによるピンスポット音提示】:遠方位置にいる歩行者にオーディオスポットを構築することに難しさがあり,それを学術的に解決する.・【音響測距法による歩行者の探知】:フレキシブルスピーカを用いた音響測距法で歩行者の位置を探知するには,ハードとソフト両面の難しさがあり,それを学術的に解決する.・【統合的なシステムの開発】:パラメトリックスピーカと音響測距法を一体化した最終的なシステムの構築を実現するため,学術的な基盤研究が不可欠となる.初年度である2018年度では,主として「パラメトリックスピーカによるピンスポット音提示」に関する研究を行い,それに付随するパラメトリックスピーカに関する様々な基盤研究を行った.その研究成果として,特許2件,論文3件,国際会議プロシーディングス1件,国際会議発表8件(口頭発表:8件)の研究成果が得られた.また,今後公表予定の研究成果として,論文2件を投稿中であり,2019年6月に国際会議で1件,2019年9月に国際会議で4件,2019年10月に国際会議で2件の発表を予定している.
1: 当初の計画以上に進展している
研究課題で設定したマイルストーンを着実に実行できており,その上で,研究課題に付随する様々な基盤研究を遂行できた.特に,2018年度で特許化したパラメトリックスピーカを用いたバーチャルリアリティに関連する研究は,非常に発展性が高い.
次年度である2019年度は,引き続き,パラメトリックスピーカに関する研究を継続すると同時に,研究計画書で設定したマイルストーンである「音響測距法による歩行者の探知」に取り組み計画である.
ほぼ計画通りに予算を執行したものの,今年度は,消耗品等の購入における残額として,8万円程度の残額が発生した.この残額は,次年度に消耗品の購入などで使用したい.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 9件) 産業財産権 (2件)
日本機械学会論文集
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