研究課題/領域番号 |
18K11365
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
中山 雅人 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (90511056)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 立体音響 / パラメトリックスピーカ |
研究実績の概要 |
本研究課題では,ある特定の領域にのみ音波を放射できるパラメトリックスピーカと位相干渉を利用した音響測距法を組み合わせて,自動的に人を検知し,その人に対してピンスポットで音を提示するシステムを実現することが研究の目的である.この研究課題の解決を実現するために,以下の3つの研究課題において,それぞれの課題を明らかにする必要がある。 ・【パラメトリックスピーカによるピンスポット音提示】:遠方位置にいる歩行者にオーディオスポットを構築することに難しさがあり,それを学術的に解決する. ・【音響測距法による歩行者の探知】:フレキシブルスピーカを用いた音響測距法で歩行者の位置を探知するには,ハードとソフト両面の難しさがあり,それを学術的に解決する. ・【統合的なシステムの開発】:パラメトリックスピーカと音響測距法を一体化した最終的なシステムの構築を実現するため,学術的な基盤研究が不可欠となる. 2019年度では,「パラメトリックスピーカによるピンスポット音提示」に関する研究を行い,それに付随するパラメトリックスピーカに関する様々な基盤研究と音響測距法に関する基礎的な検討を行った. その研究成果として,特許1件(さらに追加で1件申請予定),論文2件,国際会議プロシーディングス2件,国際会議発表6件の研究成果が得られた.また,今後公表予定の研究成果として,論文1件が採択済み、論文1件を投稿中であり,2020年度以降も国際会議での発表を多く予定していたが,新型コロナの影響により,中止もしくは延期になっているものが多く,2021年度以降での発表になる可能性が高い.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究課題で設定したマイルストーンを着実に実行できており,その上で,研究課題に付随する様々な基盤研究を遂行できた.特に,2019年度では,2018年度に特許化した技術を発展させた特許を申請済みであり,2020年度もパラメトリックスピーカに関する別技術の特許を申請予定である.これらの基盤研究が,次の研究へのステップとして期待される.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2020年度は,本研究課題の実現に向けた総合開発に取り組み計画である.また,最終年度であるため,次なる研究課題に向けた基盤研究にも積極的に取り組みたい.特に,新型コロナの影響により,在宅授業,在宅勤務が増え,オンラインによる遠隔臨場感が非常に重要な課題となっている.そこで,2020年度は,それらの課題に対して音によって解決策を与えることができる研究についても着手したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通りに予算執行を行ったが,消耗品などの執行を一部,次年度に繰り越した.次年度は繰り越した予算で消耗品を購入する計画である.
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