研究課題/領域番号 |
18K11374
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯國 洋二 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80168054)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 道路位置画像 / オープニング処理 / 道路ネットワーク / 粗度係数 |
研究実績の概要 |
1.道路位置画像の作成 基盤地図情報から道路縁データを抽出し二値化した.この二値画像は道路の右端と左端を表す二本の線データで表現されるので,この道路縁データを更新がなくなるまでオープニング処理することで内部領域を埋めた.そしてヒルディッチの細線化により,道路の中心線を表す線幅1の線画像,つまり道路位置画像を生成した.その際,オープニング処理で用いる構造化要素は4近傍,一度に行う膨張・収縮処理の回数は3とすることにより,実際の道路図との一致精度が向上することがわかった. 2.道路ネットワーク構成法 道路位置画像をラスター走査し,1つめの端点を検出し,そこから通過点列を辿りながら端点との交点を繰り返し検出することで,道路上の端点・交点をノード,その間の点列の長さを枝とする道路ネットワークを構成した.その際,ノードにはxy座標値とともに標高値も保持させた. 3.津波浸水予測ハザードマップ作成 初年度で作成した土地利用分類に基づき,海水が受ける抵抗量を表す粗度係数を各領域ごとに関係づけた.そして,各人の現在位置はスマートフォン等のGPS情報から取得できると仮定し,現在位置近傍のみの非線形長波方程式を解くことで,本来必要な避難経路周辺のみの浸水深を効率よく計算できた.こうして局所的に計算した浸水深が,全領域で非線形長波方程式を解いて得た浸水深とどの程度一致するか,また計算量がどの程度削減することで計算時間とのトレードオフを調べた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度,ニューラルネットワークを利用して土地利用分類図を作成することに変更したため進捗がやや遅れたが,道路位置画像の作成および道路ネットワーク構成を同時並行して遂行することで遅れを取り戻すことができた.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響で研究の遂行が遅れることが予想される.そこで,ダイクストラ法による避難経路探索を自動作成するとともにハザードマップの評価を同時並行に遂行する.
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次年度使用額が生じた理由 |
学生に謝金を出しシミュレーションプログラム作成を依頼する予定であったが,申請者自身が既製のソフトウエアを使って実施したため謝金が不要になった.また,新型コロナウイルスの影響で,本年度に予定していた出張を取り止めるとともに,年度内にPC等の研究機器が納入できなくなった.
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