研究課題/領域番号 |
18K11383
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山添 大丈 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (70418523)
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研究分担者 |
桑原 教彰 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (60395168)
米澤 朋子 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90395161)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 微小変化 / 気づき / 集中・非集中 / 生体計測 / 装着センサ / 視線 / 行動計測 |
研究実績の概要 |
人の微小変化・気づきに関するデータ取得を行うため,対面での説明シーンを対象として,カメラ・マイクと視線推定装置からなる実験環境を構築した.実験では,話し手と聞き手に分かれ,話し手にはスライドを用いた説明を行ってもらい,聞き手にはその話を聞いてもらう.その際,聞き手には,集中して聞く場合と,話し手には気づかれないように話を聞いた振りをしてもらいながら,別のタスクを行ってもらうこととし,これを微小変化とした.聞き手の視線行動,頭部・上半身の動きを分析し,集中の有無による動きの違いを確認した. 相互接触における感情理解や触覚提示による立位安定性への影響の分析についても進めており,微小変化推定のための基盤技術として,画像による姿勢推定などの研究も進めている. また,認知面からの気づきと,感情面からの気づきについて研究を進めた.真値データのタグ付けを自動化するため,脳波・心電・皮膚電位などを入力として,ポジティブ・ネガティブな感情や覚醒度・理解度などの変化を検出する手法を検討し,それらの生体信号を常時計測できる柔らかいウェアラブルセンサの研究を実施した. 認知面からの気付きに関して,脳波のα波とβ波の出現比率であるβ/αの時間的変化に着目して人が図形的な課題を解決する過程での変化を調査し.問題の解決に近づくにつれてβ/αが増大することが分かった.テキスタイルキャップにドライ電極を埋め込み,装着が容易で装着時の不快感が非常に小さい脳波計測用テキスタイルキャップを開発し,それを用いて計測した脳波から深層学習を用いて覚醒度を推定する手法や,脳波計測用テキスタイルキャップと心電を計測するアンダーウェア型ウェアラブルセンサから収集したデータから感情のポジティブ・ネガティブを検出する手法,リストバンド型センサから皮膚電位の時間的な変化を計測し,不快な身体的接触を検出する手法などの研究も実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験等は順調に実施できているものの,一部のデータ分析が完了できていないため.
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今後の研究の推進方策 |
実験データの分析を早急に進めるとともに,実応用を踏まえた環境での実験デザインの検討を進めていく.ただし現状では,被験者実験ができない可能性もあるため,それも踏まえながら実験デザインを検討していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度成果に関して次年度開催の学会(HCII2020)への参加が決まっているため,その出張費等として使用する予定である.
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