研究課題/領域番号 |
18K11384
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
池岡 宏 福山大学, 工学部, 准教授 (20579966)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 距離推定 / カラーフィルタ絞り / 車載 / アオリ光学 / 鮮鋭度 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスの蔓延により、実験が実施できない状況が長く続いたため、実験データの取得がなかなか進まず、計画に大きな遅延が発生した。したがって、学会発表等の研究成果の外部公開にも取り組めていない状況である。 しかしその中でも、アオリ光学系を使った単一画像からの距離推定方式において大きな進展があった。それは、エッジ部における鮮鋭度を取得する際に、アオリ光学系を通過したぼけ画像において、エッジ検出フィルタで求めた当初のエッジ位置と本来求めるべき鮮鋭度の存在する位置が、1画素以内でずれることを発見したことである。 そこで、これまでの手法で求めた鮮鋭度マップに対して、画素単位で上記のずれの有無を確認し、鮮鋭度マップの更新を行うことで、より正確な鮮鋭度マップを構築する手法を提案し、鮮鋭度算出のノイズに対する頑健性を高めることに成功した。一般に、画像ぼけを利用する距離推定方式では、鮮鋭度算出の高精度化が距離推定の精度向上に直接結びつく。実際、数メートル程度の近距離における距離推定性能について、今回の成果が高精度化に大きく寄与することを確認できた。現在、これらの成果が近距離実験のみならず遠距離における距離推定に対してどの程度寄与するか検証するために、実験の準備を進めているところである。加えて、エッジが構成するテクスチャの種類(例えば、粗さなど)の影響を、どの程度まで抑制することができるかについても、検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの蔓延により、データ取り等の実験の実施が難しい状況が長く続いたことが、遅延発生した主な原因である。なお、この状況は今後も継続することが予想されるため、その場合でも実験が進められるよう、準備しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
高精度な鮮鋭度算出手法を新たに開発したが、これにより距離推定精度および距離推定範囲についてどの程度の性能向上を果たせたか、限界値を確認する予定である。さらに、この成果をこれまでの研究成果と組み合わせることで、アオリ光学系を用いた距離推定方式の高精度化および広範囲化を進める予定である。加えて、来年度には、これらの成果を学会等で発表するため、準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延により、実験ができない状況が長く続いたこと、加えて学外発表による交通費や宿泊費等の消化ができなかったことが、次年度使用額の生じた大きな理由である。今後は、新型コロナウイルスの蔓延よる限定された環境下においても実験が進められるような環境の構築および改善に、予算の多くを割り当てる予定である。
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