研究課題
コンピュータで作成された計算機合成ホログラム(CGH)による電子化した三次元動画像再生技術(電子ホログラフィ)は,将来「究極の三次元テレビ」になるものと考えられている.しかし, CGHの計算量が膨大であることをはじめ様々な課題があり未だ実用化されていない.本研究では,①安価で汎用的なシステムによる三次元動画の実時間再生,②膨大な物体点数からなる三次元物体の再生像の高精細化,③再生された三次元動画像の階調表現性の向上を目的とする.②では,膨大な物体点を分割し,分割した物体のCGHを高速に再生し,残像効果により物体点の補間された元の三次元物体を再生する.③では,再生像の明るさを調整できる重み付きバイナリCGHを複数枚用いて時分割多重表示により実時間動画再生を行なう.①③では,汎用的なネットワークを用いたマルチGPUクラスタシステムを用いる.②では,分割した物体のCGHを補助記憶装置に保存する.そのため,本来の再生速度の分割数倍の速度で再生する必要がある.CGHのデータ量が大きいため,①③ではノード間の転送時間が,そして,②では補助記憶装置からの読み出し時間がボトルネックとなる.そこで,CGHの圧縮処理と圧縮したCGHデータからのCGH画像作成処理をGPUで高速化し,ボトルネックを解消する.令和2年度において,①では,省スペース・低コストの次世代マルチGPUクラスタシステムを想定し,ノード数を低減することが可能かを試みた.汎用部品を用いて,6枚のGPU(NVIDIA GeForce RTX 2080 Super)を搭載したマルチGPU環境のPCを構築した.約10万点からなる三次元物体のリアルタイム動画再生に成功し, 十分実現可能であることがわかった.②③では,低価格で汎用的なSSDとDMDを用いて約110万点からなる高精細な三次元動画を60fpsの速度で再生することに成功した.
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