研究課題/領域番号 |
18K11439
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
山口 暢彦 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80363422)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 機械学習 / 強化学習 / 電動義手 / ミニ四駆AI |
研究実績の概要 |
本研究では、ガウス過程動的モデルGPDM(Gaussian Process Dynamical Models)を改良し、より高速・高精度な時系列データの次元圧縮・予測法を実現する。また、本研究の応用として電動義手、ミニ四駆AI等の時系列データに対して提案手法を適用し、これにより提案手法がより高速・高精度な時系列データの次元圧縮・予測手法であることを確認する。令和元年度は、下記の2つの研究項目を実施した。(1)電動義手について、Unityの物理エンジンを用いたカメラ付き2指電動義手シミュレータ、および5指電動義手シミュレータを開発した。開発したカメラ付き2指電動義手シミュレータ・5指電動義手シミュレータ上にて強化学習を行い電動義手につかむ動作等を獲得させることに成功した。また、平成30年度に提案したVBRLをカーネル化した強化学習法K-VBRL(Kernel-based VBRL)のアルゴリズム導出・提案を行ない、提案手法が従来手法VBRLと比べてより高精度な手法であることを確認した。(2)ミニ四駆AIについて、Unityの物理エンジンを用いたミニ四駆AIシミュレータを開発した。また、開発したミニ四駆AIシミュレータ上にて強化学習を行いミニ四駆AIのスピード制御を獲得させることに成功した。更に、カメラ画像を用いてミニ四駆AIの自己位置推定を行うシステムの開発を行い、ミニ四駆AIのスピード制御を行うシステムを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度に予定していた研究計画について概ね順調に進展している。Unityの物理エンジンを用いたカメラ付き電動義手シミュレータとミニ四駆シミュレータを開発し、変分ベイズ法とカーネル法を基に方策パラメータを強化学習するK-VBRLのアルゴリズム導出・提案を行なった。また、ミニ四駆AIのスピード制御のためカメラ画像を用いてミニ四駆AIの自己位置推定を行うシステムの開発を行った。 特に、開発したカメラ付き電動義手シミュレータ上にて電動義手にボールを打つ・つかむ動作等を獲得させることに成功した点、開発したミニ四駆AIシミュレータ上にて強化学習を行いミニ四駆AIのスピード制御を獲得させることに成功した点、カメラ画像を用いてミニ四駆AIの自己位置推定を行うシステムの開発に成功した点が成果として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
電動義手について、開発したカメラ付き2指・5指電動義手シミュレータ上にて強化学習を行い、電動義手にボールを「つかむ」や紙を「つまむ」などの複数動作の獲得に取り組む。また,提案手法K-VBRLを用いて電動義手の強化学習を行い、これにより提案手法がより高精度な手法であることを確認する。
ミニ四駆AIについて、開発したカメラ画像を用いたミニ四駆AI自己位置推定システムとミニ四駆AIのスピード制御システムを連携したシステムの開発に取り組む。また,提案手法K-VBRLを用いてミニ4駆AIのスピード制御システムの強化学習を行い、これにより提案手法がより高精度な手法であることを確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、数値計算ソフトウェアを変更し予定よりも安価で購入することが出来たためであり、アルゴリズム開発とシミュレータ上での実験を優先し実際の電動義手、ミニ四駆AIの開発を来年度に変更したためである。次年度には、シミュレータ上だけでなく実際の電動義手、ミニ四駆AIによる実験を本格化し、それに対応した支出を予定している。
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