研究課題/領域番号 |
18K11455
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
奥村 紀之 大手前大学, 現代社会学部, 講師 (40510277)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 顔文字 / 感情 |
研究実績の概要 |
2018年度は、顔文字生成の基盤となる顔文字のまとめ上げタスクを実施している。文字Embeddingを利用したニューラルネットワークによる顔文字の原形推定,奥村嶺,奥村紀之,2018年度人工知能学会全国大会(第32回),2B4-05,2018において研究成果報告を行い、約10万種ある手持ちの顔文字を約3000種の原形へ分類するシステムを構築し、およそ6割程度の正解率を得ている。顔文字生成についてはこの逆順を辿るシステム構成となるため、正しく分類することができれば、顔文字生成への第一歩となる。 また、人手による感情ラベル付けにおける応答時間に着目した感情推定難易度の評価,山下紗苗,上泰,加藤惠梨,酒井健,奥村紀之,信学技報,Vol.118,No.210,NLC2018-9,pp.1-6,2018において、顔文字生成の基盤となる感情推定の難易度評価を行った。顔文字と感情は密接に関係しており、人間が感情を認識する過程を顔文字生成に組み込むための事前実験となる。なお、本発表は、発表者の学生が学生研究賞を受賞するなど高い評価を得ている。 また、2019年6月にはニューラルネットワークによる顔文字の原形に基づくマルチクラス分類と題して、先のまとめ上げタスクの拡張モデルについて研究成果報告予定である。マルチクラス分類においては、複数の原形を持つ顔文字の原形推定を行うため、全ての原形を正しく抽出できた割合が5割程度とまだまだ精度の面で改善の余地が残されている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、顔文字のマルチクラス分類の実装を完了し、顔文字の自動生成のための敵対的生成ネットワークの検討に入っている。ただし、顔文字を生成するためのきっかけとなる感情解析についてはまだしばらくの検討を要するため、当初の研究期間通り3年での完結を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には申請書に記載したとおりの計画で進めていく。ただし、感情解析に関する部分の検証が非常に難しく、想定通りのタイミングで結果が出ない場合もある。その場合は次善の案として、感情解析を用いない顔文字生成を試みる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の規定により科研費で購入したサーバ機を活用するためのデスクシステムを購入することができなかったため、科研費より充当した。当初科研費から支出予定であった旅費を大学予算に振り替えることで対応し、旅費の支出が予定より大幅に少なくなっているが、予定通りの研究活動を実施している。
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