• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

モード切替関数を連続関数で近似したハイブリッド力学系の安定性解析と分岐解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K11460
研究機関宇都宮大学

研究代表者

関川 宗久  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (90509704)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードカオス
研究実績の概要

本研究の目的は、ハイブリッド力学系の安定性解析に関して、分岐理論に裏付けられた解析手法を提案し、機械工学システムの例題を用いて提案手法の妥当性と有効性を評価することである。
ハイブリッド力学系に存在するダイナミクスの不連続性を、妥当な連続関数近似を用いることで解消し、計算アルゴリズムの効率化と並列化を図ることで、現実的時間で実行可能な安定性解析手法を提案する。機械振動系を具体例とし、その数理モデルへ提案手法を適用させ、不連続関数特性をもつ系と、その特性を微分可能な関数で近似した系の運動について両者の安定性解析の結果を比較することで、連続関数近似したときの差異を検討する。
具体的には、離散事象の切り替えを表す不連続関数を微分可能な連続関数で近似することで計算アルゴリズムの簡素化を図り、現実的時間で数値計算が実行可能な力学モデルを構築し、安定性解析を行う。安定性解析には、非線形動力学分野でしばしば用いられている、リアプノフスペクトラムに基づいた解析方法と分岐理論に基づいた解析手法を適用する。そして、不連続関数特性をもつ系と、その特性を微分可能な関数で近似した系について両者の解析結果を比較し、連続関数近似の妥当性を評価する。スティックスリップ振動を生じる力学モデルを具体例として、提案する安定性解析手法の妥当性と有効性を評価し、分岐理論に基づいた安定性解析を進める。
本年度は、スティックスリップ振動を生じる物体の、乾性摩擦特性を不連続関数で記述した場合のモデルに対して、変分方程式を導出しリアプノフスペクトラムを計算し、安定性解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の目標は、構築した力学モデルの、リアプノフスペクトラムに基づいた安定解をすることであった。昨年度確認された多周期解、準周期解、カオスが位相平面上のみかけではなく、計算されたリアプノフ指数でその特性が裏付けられた。
以上より、本研究課題はおおむね順調に進行していると判断した。

今後の研究の推進方策

次年度以降もこれまでの基本方針に従い研究を進める予定である。研究の進み具合に応じて研究テーマの内容の検討を行い、必要に応じて研究計画を弾力的に見直していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

概ね計画通りに助成金を使用してきたが、想定より物品の購入費用などが安く抑えられたため、次年度の物品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Border-collision bifurcations and Arnol'd tongues in two coupled piecewise-constant oscillators2020

    • 著者名/発表者名
      Tri Quoc Truong, Tadashi Tsuboneb, Munehisa Sekikawa, and NaohikoInaba
    • 雑誌名

      Physica D

      巻: 401 ページ: 132148

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.physd.2019.132148

    • 査読あり
  • [学会発表] FPGA Design of a Chaotic Quartic-Neuron Model2019

    • 著者名/発表者名
      M. Sekikawa and F. Grassia
    • 学会等名
      2019 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi