研究課題/領域番号 |
18K11468
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土居 伸二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50217600)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ATP感受性カリウムチャネル / 傍分泌効果 / 血糖値応答性インスリン分泌 |
研究実績の概要 |
膵臓に点在する膵島という細胞群は,膵臓全体の体積の1-2%程度の小さな組織であるが,血糖値の制御や糖尿病に関わる最も重要な細胞が集まっている.本研究では,血糖値降下ホルモンであるインスリンを分泌するβ細胞だけではなく,血糖値上昇ホルモンのグルカゴンを分泌するα細胞,および,α,β細胞を制御するソマトスタチン分泌細胞のδ細胞を含めて,膵島の細胞集団全体をモデル化し,これら細胞間の相互作用(傍分泌効果)の態様と膵島が総体として行う血糖値制御メカニズムを解明することを目的とする.特に,ホルモンを介した細胞間の相互作用だけではなく,活動電位を介した相互作用が血糖値制御に関して決定的役割を担っていると考え,Hodgkin-Huxley型の電気生理学的モデル構築を行うことを目的としている.特に,分岐解析などの非線形動的システムの解析手法を駆使することが特徴である. 当初研究計画をほぼ達成しているので,(補助事業期間を再延長した)研究5年目の2022年度においては,さらに研究を深耕・発展させた.特に,β細胞のATP感受性カリウムチャネルと膵α・δ細胞の傍分泌効果の相乗効果による血糖値応答性インスリン分泌の調節機構に関して詳細な解析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新型コロナ感染症等の社会情勢を受けて補助事業期間を再延長しているが,当初研究計画はほぼ達成している状況であり,進捗状況は「当初の計画以上に進捗している」と言える.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画をさらに発展させ,細胞集団結合系の解析をさらに進展させる.結合系においては,単一細胞とは異なる,どのような動態や機能が創発するのか・しないのかという点に特に注目することで,当初計画以上の研究成果を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染拡大により,参加・発表学会が悉くオンライン開催になり,旅費がかからなかったことにより,次年度使用額が生じている.今年度においても,種々の有効な使用法を検討する.
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