研究課題/領域番号 |
18K11470
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 英行 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (50274543)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 進化計算 / 知識獲得 / 花火アルゴリズム / 植物進化アルゴリズム / 大規模最適化 |
研究実績の概要 |
本研究では,次の四つの取り組みを行う.(1) 進化計算アルゴリズム改善・新規開発に利用可能な知識の獲得,(2) 設計者に探索解の妥当性を説明できる知識の獲得,(3) 対話型進化計算(IEC)ユーザの評価特性を説明する知識の獲得,(4) IECユーザ自身の評価特性を気づかせる知識の獲得. 3年目の2020年度は,取り組み(1)(2)に注力した. 取り組み(1)では,花火アルゴリズムと植物進化アルゴリズムの性能向上の論文を3編,各種進化計算初期個体の性能への影響と新規初期化法の提案の論文を1編,大規模最適化にsparse推定を導入する論文を1編発表した.2020年度からは,大規模最適化と同時に,まだ対外発表には至っていない制約付進化的最適化についての研究も進めている.花火アルゴリズムと植物進化アルゴリズムの性能向上は本科研初年度からのテーマであるが,大規模最適化と制約付最適化は2000年度からのテーマ拡大である.特に1000変数程度の大規模最適化に対してsparse推定で変数依存関係のある変数を減らして複数の変数グループ化することで高次元最適化問題を複数の低次元最適化にする手法の提案は独自性のある内容である. 取り組み(2)では,進化計算による知識獲得の論文1編と,多基準が必要な意思決定者の解選択意思を多目的最適化に反映させる論文1編を発表した.前者の論文では,金融データ,調和感の知覚心理データ,複雑系の3応用分野で進化計算によるファジィルール獲得を行った.後者の論文では,ロケット設計を例に,提案の「受容度」を導入することで,これまで困難であった目的空間と設計変数空間との橋渡しができることを主張した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度の成果を7編の論文として発表できているため,順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長した最終年度は,取り組み(1)の大規模最適化と制約付最適化を中心に行い,2020年度には成果発表のなった多人数での対話型進化計算について取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染の世界的拡大により,2020年度予定していた多くの国際会議,国内会議がon-line開催となり,予定していた出張経費がなくなり,参加登録費もon-line開始によって軽減されることになったため. 2021年度はワクチン接種が終わるため2020年度に比べて感染拡大が抑えられると期待できる.成果発表や情報収集のための会議がreal開催になればこれらの出張費に充当する他,今後の研究展開について研究協力者との討議のための出張に充当する予定である.
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