本研究ではこれまで,以下の四つの取り組みを行ってきた. (1) 「進化計算アルゴリズム改善・新規開発に利用可能な知識の獲得」 進化計算の各種初期化,統計手法や工夫導入による既存進化計算の改良,新規進化計算手法(植物進化アルゴリズム)の考案,および,大規模最適化対応,強い制約下での最適化,等の研究を行った. (2) 「設計者に探索解の妥当性を説明できる知識の獲得」 多目的最適化において,設計者が持つ各目的に対する評価特性を知識として関数化し(受容度関数),それらを統合する統合受容度を多目的探索に反映させる手法を提案し,ロケット設計や住宅物件検索で評価した他,多目的最適化の大きな課題であった目的空間と設計変数空間の橋渡しをする技術になり得ることを示した. (3) 「対話型進化計算ユーザの評価特性を説明する知識の獲得」 対話型進化計算ユーザの評価を明示的なルールベース知識に変換する研究を三つのタスクを通じて行った. (4) 「IECユーザ自身の評価特性を気づかせる知識の獲得」 対話型進化計算ユーザが対象の善し悪しを評価できても,その評価の理由を説明しづらい,あるいは,判らないことがある.この評価理由に気づかせるawareness computingの研究を行った. さらに令和4年度は総括の最終年度として,研究代表者と研究協力者が8月と2月に集まり,各々科研中間報告と最終報告してこれまでの研究を総括すると共に,今後の研究展開について議論した.
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