研究課題
2018年度は先ず不動点最適化理論を用いてSparsityとDiversityをもつ凸アンサンブル学習に対して最適性と収束性を解析的に示した点で大きな意義がある。次に、ニューラルネット、アンサンブル、サポートベクタマシンからルール抽出を行う大規模な比較実験を行った。この論文ではアンサンブル・ニューラルネットワーク、boosted shallow treeおよびサポートベクターマシンに対して10重交差検証により分類精度の計算方法を統一した上で多くの分類ベンチマークデータセットの網羅的な分類能力を示した最初の論文である。また、クレジットスコアリングを例題に分類精度と理解し易さを巧みにバランスさせて高精度優先分類器の提案を行った。既往の研究は分類精度のみを追求した研究が体制を占めていたが、本研究は理解度の充実も同時に実現した論文であり、現時点で当該論文を超えるパフォーマンスを示す論文は発表されていない。この点で大きな意義がある。センチメント分析に用いるサポートベクターマシンからルール抽出を方法も研究した。デジタルマーケティングへの応用意義がある。純粋医学への応用論文も発表した。対象はNASH(脂肪肝)患者に対する非侵襲的な推定モデルを作ることに世界で初めて成功したものであり、肝生検(腎臓に針を刺して細胞を採取する検査)を行わずに予測モデルを作る肝臓学における人工知能の画期的な応用といえる。2018年度は本研究課題の基礎的なメインテーマの一つである画像から専門家の知識を得て生成された比較的抽象度の高いデータをDBN(deep belief network)を用いて学習して得られたDNN(deep neural network)を簡潔なルール表現により透明化する方式を確立したした。この論文によりDBNのブラックボックス性の解消方式が示された点で画期的な意義がある。
1: 当初の計画以上に進展している
理論・アルゴリズムの構築および現実的な応用例への展開が全て予定以上に進捗している。
2018年度は主として高精度分類器およびDBNの透明化に重点を置いたが、今後をより多く使われているCNN(Convolutional Neural network)への拡張を試みる。また、画像から生成されたより抽象度の低い画像への適用に付いても試みる。更に、CNNで学習して得られたDNNを簡潔な決定木に変換する方式についても検討する。これに成功すると画像・(時系列)数値混合データに対してルール表現による透明化が図ることが予想できる。
研究用の消耗品費が当初予想より少なかったため。2019年度の研究用の旅費、人件費およびその他に使用する。
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 備考 (1件)
Neurocomputing
巻: 273 ページ: 367:372
doi.org/10.1016/j.neucom.2017.07.046
Applied Computional Intelligence and Soft Computing
巻: 2018 ページ: ------
https://doi.org/10.1155/2018/4084850
New Generation Computing
巻: 36 ページ: 393:418
doi:10.1007/s00354-018-0043-5
World Journal of Hepatology
巻: 10 ページ: 934:943
doi:10.4254/wjh.v10.i12.934
Neural Computation
巻: 30 ページ: 3309:3326
doi.org/10.1162/neco_a_01139.
Big Data and Cognitive Computing
doi:10.3390/bdcc2010006
http://www.ci.cs.meiji.ac.jp/en/index.html